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第135話
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【ドリル視点】
俺は学園を退学になり、貧民街に向かった。
貧民街の更に裏路地に入ると、暗殺ギルドのアジトがある。
俺はそこに入った。
「ひっひっひ、聞いたぞ。退学になったんだろ?」
「ダーク、黙れ」
ダーク、ぎょろぎょろと爬虫類のように動く目と、ガリガリでガイコツを思わせる見た目だが、闇魔法を中心に多くの魔法を使いこなす男だ。
そしてこの盗賊ギルドを支配するボスでもある。
「せっかくスパイとして送り込んだのに、早いお帰りだな。ひっひっひ」
「うるさい。そこまで言うならお前が行けばいいだろ」
「私は25才だ。目立つだろう?」
「ち、所でまた引っ越しか?」
「ああ、また国に目を付けられつつある。移動してから暴れるさ」
「所で、アオイはどうなった?」
「お前の言う通りダンジョンに行けないように監視をつけて圧をかけている。だが、お前に知らせようとすると逃げ出す。アオイも感知を持っている。アオイで楽しめなくて残念だったなあ。ひっひっひ」
「俺が貰うのが少し遅くなるだけだ。お前の方こそ、ヒメはどうするんだ?学園の守りが強化されて、アサシンギルドのファングもヒメ狙いなんだろ?お前殺されるぞ」
「ひっひっひ、うまくやるさ。計画の実行が決まった。よその盗賊ギルドがいるだろう?そのアジトの場所を国にリークする。ヒメが回復していない今、王はヒメを寮に置いたまま盗賊ギルドを攻撃するだろう。その隙にヒメを頂く。ヒメを手に入れれば、アオイも来てくれるかもなあ」
「待て、ファングに殺されるぞ」
「それも考えてある。他の盗賊ギルドがヒメを奪ったと、偽の情報を流す。他の盗賊ギルドとアサシンギルドで潰し合ってもらう。トップのアサシンギルドと2番手の盗賊ギルドが潰し合えば、力を隠し、3番手を装っている私のギルドが一気にトップに上がる。ひっひっひ、私とドリルがソウルスキルを使える事を皆しらないからな。私とドリルの真の力を知れば、更にこのギルドに人員が補充される」
「ようやく隠していた爪を見せるか」
「そういうことだ。ひっひっひ。国にもライバルのギルドにも疲弊してもらい、私のギルドが覇権を取る!」
「乗ってやる。成り上がってやるよ!」
俺は貧民街で育った。
物心ついた時には母はいなかった。
その代わり姉のような存在が居た。
血は繋がっていなかったが姉は色々の事を教えてくれた。
『ドリルはねえ、英雄騎士団の団長、スティンガーの息子なんだよ』
『母さんは私とドリルにご飯を食べさせるために盗みに入ってそのまま戻らなかったんだよ』
姉さんはある日、アルナに目を付けられた。
馬車に乗せられ、しばらくすると姉さんは変わり果てた姿になって戻ってきた。
アルナに弄ばれ、命を失ったのだ。
王家は、国はクソだ!
俺は生きる為に何度も盗んで過ごした。
何度も殴られて、盗みがうまくなり、強くなっていった。
人を見る目も養った。
裏切られれば命を失う危険もあった。
命がけで人を見極めてきた。
ある日仲間のリナが教会に連れていかれた。
リナは体を何度も奪われ、戻って来ると精神が狂っていた。
リナはしばらくして自殺した。
リナは俺の初恋の相手だった。
教会はクソだ!
俺は小さい頃からダンジョンで力を蓄えた。
この世界は力が無ければ奪われる。
権力の無い俺は、力を手に入れるしか成り上がる方法を知らなかった。
必死で強くなると思い出す。
『ドリルはねえ、英雄騎士団の団長、スティンガーの息子なんだよ』
俺は父に会いに行った。
父に合うと言われた。
『息子だからなんだ?自分の事は自分で何とかしろ!クズが!』
俺は殴られ、団員に外に追い出される瞬間に父を見た。
女を弄び、楽しそうに笑う父の姿を。
父はクソだ!
でも、女を落とすその光景に意識が遠くなりながらも興奮する自分がいた。
その後俺は力を高め、学園に入園した。
入園してすぐにアオイを見た。
凛とした姿、気の強そうな目、一気に体が熱くなった。
学園生活が楽しみだ。
アオイを犯して過ごせる。
だがアオイがいない。
アオイの居場所を探す為生徒を殴り、停学になった。
喧嘩をしてまた停学になり、更にはアサヒにハメられて退学になった。
俺は奪われない!
奪う側に回る!
女を弄ぶ!
俺が支配する!
やることは決まっている。
アオイを手に入れて、アサヒを殺す!
俺なら出来る。
ソウルスキルを、真の力を見せてやろう!
ソウルスキルは悪しき者でも使う事が出来るのだ。
ドリルとダークの魂は黒い輝きを放っていた。
俺は学園を退学になり、貧民街に向かった。
貧民街の更に裏路地に入ると、暗殺ギルドのアジトがある。
俺はそこに入った。
「ひっひっひ、聞いたぞ。退学になったんだろ?」
「ダーク、黙れ」
ダーク、ぎょろぎょろと爬虫類のように動く目と、ガリガリでガイコツを思わせる見た目だが、闇魔法を中心に多くの魔法を使いこなす男だ。
そしてこの盗賊ギルドを支配するボスでもある。
「せっかくスパイとして送り込んだのに、早いお帰りだな。ひっひっひ」
「うるさい。そこまで言うならお前が行けばいいだろ」
「私は25才だ。目立つだろう?」
「ち、所でまた引っ越しか?」
「ああ、また国に目を付けられつつある。移動してから暴れるさ」
「所で、アオイはどうなった?」
「お前の言う通りダンジョンに行けないように監視をつけて圧をかけている。だが、お前に知らせようとすると逃げ出す。アオイも感知を持っている。アオイで楽しめなくて残念だったなあ。ひっひっひ」
「俺が貰うのが少し遅くなるだけだ。お前の方こそ、ヒメはどうするんだ?学園の守りが強化されて、アサシンギルドのファングもヒメ狙いなんだろ?お前殺されるぞ」
「ひっひっひ、うまくやるさ。計画の実行が決まった。よその盗賊ギルドがいるだろう?そのアジトの場所を国にリークする。ヒメが回復していない今、王はヒメを寮に置いたまま盗賊ギルドを攻撃するだろう。その隙にヒメを頂く。ヒメを手に入れれば、アオイも来てくれるかもなあ」
「待て、ファングに殺されるぞ」
「それも考えてある。他の盗賊ギルドがヒメを奪ったと、偽の情報を流す。他の盗賊ギルドとアサシンギルドで潰し合ってもらう。トップのアサシンギルドと2番手の盗賊ギルドが潰し合えば、力を隠し、3番手を装っている私のギルドが一気にトップに上がる。ひっひっひ、私とドリルがソウルスキルを使える事を皆しらないからな。私とドリルの真の力を知れば、更にこのギルドに人員が補充される」
「ようやく隠していた爪を見せるか」
「そういうことだ。ひっひっひ。国にもライバルのギルドにも疲弊してもらい、私のギルドが覇権を取る!」
「乗ってやる。成り上がってやるよ!」
俺は貧民街で育った。
物心ついた時には母はいなかった。
その代わり姉のような存在が居た。
血は繋がっていなかったが姉は色々の事を教えてくれた。
『ドリルはねえ、英雄騎士団の団長、スティンガーの息子なんだよ』
『母さんは私とドリルにご飯を食べさせるために盗みに入ってそのまま戻らなかったんだよ』
姉さんはある日、アルナに目を付けられた。
馬車に乗せられ、しばらくすると姉さんは変わり果てた姿になって戻ってきた。
アルナに弄ばれ、命を失ったのだ。
王家は、国はクソだ!
俺は生きる為に何度も盗んで過ごした。
何度も殴られて、盗みがうまくなり、強くなっていった。
人を見る目も養った。
裏切られれば命を失う危険もあった。
命がけで人を見極めてきた。
ある日仲間のリナが教会に連れていかれた。
リナは体を何度も奪われ、戻って来ると精神が狂っていた。
リナはしばらくして自殺した。
リナは俺の初恋の相手だった。
教会はクソだ!
俺は小さい頃からダンジョンで力を蓄えた。
この世界は力が無ければ奪われる。
権力の無い俺は、力を手に入れるしか成り上がる方法を知らなかった。
必死で強くなると思い出す。
『ドリルはねえ、英雄騎士団の団長、スティンガーの息子なんだよ』
俺は父に会いに行った。
父に合うと言われた。
『息子だからなんだ?自分の事は自分で何とかしろ!クズが!』
俺は殴られ、団員に外に追い出される瞬間に父を見た。
女を弄び、楽しそうに笑う父の姿を。
父はクソだ!
でも、女を落とすその光景に意識が遠くなりながらも興奮する自分がいた。
その後俺は力を高め、学園に入園した。
入園してすぐにアオイを見た。
凛とした姿、気の強そうな目、一気に体が熱くなった。
学園生活が楽しみだ。
アオイを犯して過ごせる。
だがアオイがいない。
アオイの居場所を探す為生徒を殴り、停学になった。
喧嘩をしてまた停学になり、更にはアサヒにハメられて退学になった。
俺は奪われない!
奪う側に回る!
女を弄ぶ!
俺が支配する!
やることは決まっている。
アオイを手に入れて、アサヒを殺す!
俺なら出来る。
ソウルスキルを、真の力を見せてやろう!
ソウルスキルは悪しき者でも使う事が出来るのだ。
ドリルとダークの魂は黒い輝きを放っていた。
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