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第166話
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『ハヤト、ファルナを導いて強くするのです。テンタクルの動向は私が伝えます』
「俺がファルナをダンジョンに連れて行ってレベルを上げればいいのか。そしてテンタクルがいつ攻めてくるかは女神が知らせてくれるからダンジョンに行ってもいいと」
「お願いしますわ」
「私も行くのです!」
「僕も行くよ!」
「あら、私達もハヤトのパーティーなのだから、一緒に行くわ」
「俺・ファルナ・シルビア・エリス・アオイ・ヒメ・サミスでダンジョンに向かうか。今すぐでもいいか?」
「「お願いします!」」
皆がそろって礼をした。
「カムイ、ファルナだけじゃなく、俺もカムイに追いつけるよう修行する!」
「ハヤトは、俺と、変わらない」
「う~ん、そうは思えない。ま、出来るだけの事はして来る」
「分かった」
「走るぞ!」
俺は走ってダンジョンの上に向かった。
【ダンジョン7階】
「はあ、はあ、早すぎますわ」
俺達は走ってここまで来た。
ファルナ・エリス・シルビアは疲れている。
「うん、レベルも大事だけど、魔物と闘うプレイヤースキルも大事だ。この階で軽く戦ってみようか」
「この階はアサシンゴーストと各属性のゴーレムが出てくるわね」
アサシンゴーストは黒紫の人型がカマを持っている。
体は霧のようにもやもやしており、実態がおぼろげだ。
斬ればすぐに倒せるが、動きが速く、隠れている事が多い。
属性ゴーレムは赤なら炎属性と色で見分けがつく。
固いタンクタイプだが、斬れば普通に倒せる。
「ダークフィールドに行こうか」
「待つのですわ。はあ、はあ、軽く戦うのですわよね?」
「軽くだ」
「軽くではないわね。ハヤトの軽くは軽くではないわ」
「大丈夫だ。疲れたら休んでいいんだ。休んでいる間に俺が魔物を狩る」
俺達はダークフィールドに向かった。
「はあ、はあ、もう、もう動けませんわ」
「ぼ、僕も、苦しいよ」
「もう、動けないのです」
「後は休んでいて欲しい。俺が魔物を狩って来る」
俺はダークフィールドの中に入って魔物を狩り続けた。
【ファルナ視点】
「え!レベルが上がりましたわ!」
「ハヤトとパーティーを組んでいるファルナ・シルビア・エリスはもっとレベルが上がると思うわ。水を飲みましょう」
「た、助かりますわ」
地面に寝転がっていたシルビアがむくりと起き出す。
「今日の夜は私がスルのです」
「その話は後にしましょう。今はヒメとサミスで周りにいる魔物を狩って来るわ」
「アオイはずるいのです!いつもシテいるのです!」
「そんな事は無いわ」
「アオイは沢山シテいるよ」
「そんな事は無いのよ」
「喧嘩は駄目ですよ!2人ずつローテーションにしましょう!」
「私とエリスが、今日はスルのです」
「あら、そんなにへとへとになって耐えられるのかしら?」
普段冷静なアオイがハヤトを求めているのが分かる。
わたくし以外は皆ハヤトに心を奪われている。
あの奥手なヒメでさえ、今ではもうハヤトのもの。
わたくしだけが女になりきれていない。
ハヤトになら、でも、いえ、今はテンタクルとの戦いが大事!
わたくしは夜には動けなくなるほど努力する必要がある。
一時の快楽に身を任せてはいけない。
それにしても5人でハヤトを取り合うように言い合いが続いていますわ。
気が付けばハヤトを目で追ってしまう。
確かに魅力的な方ではありますね。
ですが、
「アオイ、わたくしも魔物狩りについていきたいのですわ。少しでも追いつきたいのですわ」
「分かったわ。でも途中で休んで欲しいわね」
「アオイ!逃げるのは駄目なのです!」
「まだ話は終わっていないよ!」
わたくしは抗議の声を上げるエリスとシルビアを置いて、魔物狩りに向かった。
その夜エリスとシルビアはハヤトと寝て、わたくしは疲れているのに体が熱くなってしまった。
【ダンジョン修行2日目】
今日は8階に向かった。
シルビアとエリスはハヤトと一緒のテントに寝たのに元気を貰ったように動きが良かった。
いえ、7階と同じタイプの魔物に慣れただけ!きっとそうですわ!
でも、2人の肌は潤いがあって、魅力が増しているように見えた。
わたくしは、自分の体を痛めつけるように無理をして修行を続けた。
その夜はアオイとヒメがハヤトと寝た。
ヒメとアオイの声で、体は疲れていても、熱くなってくる。
いえ、これは疲れすぎたゆえの微熱!
やっと寝付いたと思えば夢を見た。
ハヤトがわたくしを女にする夢、逃げようとするわたくしの逃げ場を塞ぎ、わたくしはハヤトと1つになる。
【ダンジョン修行3日目】
焚火を囲みながら口に出してしまった。
「いけませんわね」
「ファルナ、どうした?」
そう言ってハヤトはわたくしのおでこに手を当ててくる。
熱が上がる。
「少し、熱があるか」
「きっと疲労なのだと思うわ。ファルナ、そうでしょう?」
ああ、アオイにはわたくしの心が見抜かれている。
でも、そう、ほとんどが過労のせいですわ。
「サミス、ファルナをおんぶして9階に行こう。今日は俺以外休みだ」
わたくしは9階のセーフゾーンまでおんぶしてもらい、ハヤトはダークフィールドに出かけて行った。
寝ているだけでレベルが上がる。
テントの中で休んでいると、アオイが入ってきた。
わたくしに抱きついて、耳元でささやく。
「疲れたのだと思うわ。それと無理は、良くないと思うわ」
そう言って出て行った。
どの意味で言ったのか分からない。
無理して魔物を狩ったから?
それとも、女としての……
「俺がファルナをダンジョンに連れて行ってレベルを上げればいいのか。そしてテンタクルがいつ攻めてくるかは女神が知らせてくれるからダンジョンに行ってもいいと」
「お願いしますわ」
「私も行くのです!」
「僕も行くよ!」
「あら、私達もハヤトのパーティーなのだから、一緒に行くわ」
「俺・ファルナ・シルビア・エリス・アオイ・ヒメ・サミスでダンジョンに向かうか。今すぐでもいいか?」
「「お願いします!」」
皆がそろって礼をした。
「カムイ、ファルナだけじゃなく、俺もカムイに追いつけるよう修行する!」
「ハヤトは、俺と、変わらない」
「う~ん、そうは思えない。ま、出来るだけの事はして来る」
「分かった」
「走るぞ!」
俺は走ってダンジョンの上に向かった。
【ダンジョン7階】
「はあ、はあ、早すぎますわ」
俺達は走ってここまで来た。
ファルナ・エリス・シルビアは疲れている。
「うん、レベルも大事だけど、魔物と闘うプレイヤースキルも大事だ。この階で軽く戦ってみようか」
「この階はアサシンゴーストと各属性のゴーレムが出てくるわね」
アサシンゴーストは黒紫の人型がカマを持っている。
体は霧のようにもやもやしており、実態がおぼろげだ。
斬ればすぐに倒せるが、動きが速く、隠れている事が多い。
属性ゴーレムは赤なら炎属性と色で見分けがつく。
固いタンクタイプだが、斬れば普通に倒せる。
「ダークフィールドに行こうか」
「待つのですわ。はあ、はあ、軽く戦うのですわよね?」
「軽くだ」
「軽くではないわね。ハヤトの軽くは軽くではないわ」
「大丈夫だ。疲れたら休んでいいんだ。休んでいる間に俺が魔物を狩る」
俺達はダークフィールドに向かった。
「はあ、はあ、もう、もう動けませんわ」
「ぼ、僕も、苦しいよ」
「もう、動けないのです」
「後は休んでいて欲しい。俺が魔物を狩って来る」
俺はダークフィールドの中に入って魔物を狩り続けた。
【ファルナ視点】
「え!レベルが上がりましたわ!」
「ハヤトとパーティーを組んでいるファルナ・シルビア・エリスはもっとレベルが上がると思うわ。水を飲みましょう」
「た、助かりますわ」
地面に寝転がっていたシルビアがむくりと起き出す。
「今日の夜は私がスルのです」
「その話は後にしましょう。今はヒメとサミスで周りにいる魔物を狩って来るわ」
「アオイはずるいのです!いつもシテいるのです!」
「そんな事は無いわ」
「アオイは沢山シテいるよ」
「そんな事は無いのよ」
「喧嘩は駄目ですよ!2人ずつローテーションにしましょう!」
「私とエリスが、今日はスルのです」
「あら、そんなにへとへとになって耐えられるのかしら?」
普段冷静なアオイがハヤトを求めているのが分かる。
わたくし以外は皆ハヤトに心を奪われている。
あの奥手なヒメでさえ、今ではもうハヤトのもの。
わたくしだけが女になりきれていない。
ハヤトになら、でも、いえ、今はテンタクルとの戦いが大事!
わたくしは夜には動けなくなるほど努力する必要がある。
一時の快楽に身を任せてはいけない。
それにしても5人でハヤトを取り合うように言い合いが続いていますわ。
気が付けばハヤトを目で追ってしまう。
確かに魅力的な方ではありますね。
ですが、
「アオイ、わたくしも魔物狩りについていきたいのですわ。少しでも追いつきたいのですわ」
「分かったわ。でも途中で休んで欲しいわね」
「アオイ!逃げるのは駄目なのです!」
「まだ話は終わっていないよ!」
わたくしは抗議の声を上げるエリスとシルビアを置いて、魔物狩りに向かった。
その夜エリスとシルビアはハヤトと寝て、わたくしは疲れているのに体が熱くなってしまった。
【ダンジョン修行2日目】
今日は8階に向かった。
シルビアとエリスはハヤトと一緒のテントに寝たのに元気を貰ったように動きが良かった。
いえ、7階と同じタイプの魔物に慣れただけ!きっとそうですわ!
でも、2人の肌は潤いがあって、魅力が増しているように見えた。
わたくしは、自分の体を痛めつけるように無理をして修行を続けた。
その夜はアオイとヒメがハヤトと寝た。
ヒメとアオイの声で、体は疲れていても、熱くなってくる。
いえ、これは疲れすぎたゆえの微熱!
やっと寝付いたと思えば夢を見た。
ハヤトがわたくしを女にする夢、逃げようとするわたくしの逃げ場を塞ぎ、わたくしはハヤトと1つになる。
【ダンジョン修行3日目】
焚火を囲みながら口に出してしまった。
「いけませんわね」
「ファルナ、どうした?」
そう言ってハヤトはわたくしのおでこに手を当ててくる。
熱が上がる。
「少し、熱があるか」
「きっと疲労なのだと思うわ。ファルナ、そうでしょう?」
ああ、アオイにはわたくしの心が見抜かれている。
でも、そう、ほとんどが過労のせいですわ。
「サミス、ファルナをおんぶして9階に行こう。今日は俺以外休みだ」
わたくしは9階のセーフゾーンまでおんぶしてもらい、ハヤトはダークフィールドに出かけて行った。
寝ているだけでレベルが上がる。
テントの中で休んでいると、アオイが入ってきた。
わたくしに抱きついて、耳元でささやく。
「疲れたのだと思うわ。それと無理は、良くないと思うわ」
そう言って出て行った。
どの意味で言ったのか分からない。
無理して魔物を狩ったから?
それとも、女としての……
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