砂漠の覇王と折れた銀剣〜七年待ち続けた王と、感覚を失った剣〜
【一途な砂漠の覇王×感覚を失った帝国最強の剣士】
七年、覇王はずっと待っていた。
——あの男が、自分を思い出してくれる日を。
砂漠で行き倒れていたのは、帝国最強の剣と謳われた男。心を殺した代償に、味も、痛みも、空腹も、何も感じなくなった男だった。
全部族を束ねる覇王は、何も語らない。ただ毎朝、食事を運び、皿に棗を一つ増やし、天幕の入口の砂に膝の跡を残していく。朝になると、その跡は消されている。
何も感じないはずだった。
なのにこの男の傍でだけ、舌に味が戻る。指先に痛みが戻る。名を呼ぶために開いた唇が、熱を持つ。
覇王の背中には、鞭の傷が九本。帝国の規定は十二本。
——足りない三本の答えを、自分の背中だけが知っている気がする。
封じた記憶の奥に、鎖に繋がれた少年がいる。
庭で重ねた唇の温度がある。
全てを壊した、嘘の言葉がある。
思い出してはいけない。
※R-18描写あり(該当話に注意書きします)
※全30話・完結済み
身分差/記憶喪失/再会/運命/一途攻め/ハッピーエンド
七年、覇王はずっと待っていた。
——あの男が、自分を思い出してくれる日を。
砂漠で行き倒れていたのは、帝国最強の剣と謳われた男。心を殺した代償に、味も、痛みも、空腹も、何も感じなくなった男だった。
全部族を束ねる覇王は、何も語らない。ただ毎朝、食事を運び、皿に棗を一つ増やし、天幕の入口の砂に膝の跡を残していく。朝になると、その跡は消されている。
何も感じないはずだった。
なのにこの男の傍でだけ、舌に味が戻る。指先に痛みが戻る。名を呼ぶために開いた唇が、熱を持つ。
覇王の背中には、鞭の傷が九本。帝国の規定は十二本。
——足りない三本の答えを、自分の背中だけが知っている気がする。
封じた記憶の奥に、鎖に繋がれた少年がいる。
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全てを壊した、嘘の言葉がある。
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