文字の大きさ
大
中
小
3 / 15
第一章
第3話:思惑
「ええ、全然かまわないですわ、ノーマン第三王子殿下。
別にサヴィル公爵家の支援がなくても生活には困りませんわ。
私には神々が与えてくださった魔力の才がありますから。
日々の糧くらいは森や河で狩りをして得られますもの」
「これは公爵令嬢とは思えない逞しさですね。
まあ、でも、それではあまりにも不公平でしょう。
王家がそんな事をしてしまったら、多くの貴族から反感を持たれてしまいます。
それでは国の運営に差し障りが起きてしまいます。
ここは穏便に話しを進める訳にはいけませんかね」
「穏便にですか、ノーマン第三王子殿下は何を考えておられるのです」
「特に何も考えてはいませんよ、ヒルダ嬢。
国が荒れて治安が悪化して民が苦しまないようにしたいと思っているだけです。
ああ、そうそう、もうノーマン第三王子殿下と呼ぶのは止めてください。
あまりにも仰々し過ぎますから」
先程から優しい言葉と笑顔で話していますが、強かですね。
民の事を口にして私を逃がさないようにしています。
殿下の目的は何なのでしょう。
メイナード第一王子とモンタギュー第二王子を押しのけて、王になる事が目的なのなら分かりやすいのですが、他に何か企んでいる可能性もありますね。
「分かりました、殿下。
これからは殿下とだけ呼ばせていただきます。
ですが殿下の申される治安の悪化という意味が分かりません。
むしろ表立ってグロリア夫人やヘーゼルを処分する方が、メクスバラ王国には危険なのではありませんか。
何と言ってもグロリア夫人はバニングス王国の王妹ではありませんか。
あまり恥をかかせるわけにもいかないのではありませんか」
「まあ確かに、恥をかかせ過ぎて戦争になるのは頂けません。
ですがメクスバラ王家がこれほどの恥をかかされて、泣き寝入りする必要もない。
いえ、黙っていては周辺諸国に舐められてしまいます。
ここは断固とした処置が必要になります。
ですがその為には、メクスバラ王家の本家分家が争うことなく力を合わせなければいけないのですが、メイナード兄上も困った事をしでかしてくれました」
なるほど、そう言う事でしたか。
今はノーマン第三王子殿下だけしか動いていませんが、随分前からナサニエ国王陛下直々の、グロリア夫人にかかされた恥を雪ぐつもりだったのですね。
まあ、メクスバラ王国とバニングス王国の友好のために、サヴィル公爵家は評判が悪かったグロリア夫人を後妻に迎えたのです。
あの当時は王女だったとはいえ、十数番目に流民の娘から生まれ、身持ちも悪いと評判だったのにです。
メクスバラ王家は友好のために、嫁ぎ先のないグロリア王女を引き取ってやったくらいの気持ちで、父の後妻に迎えたと聞いています。
さすがにナサニエ国王陛下も腹に据えかねているのでしょうね。
ですが、だからと言って、私がそれに付き合わなければいけない理由にはなりませんから、とっとと逃げさせてもらいます。
別にサヴィル公爵家の支援がなくても生活には困りませんわ。
私には神々が与えてくださった魔力の才がありますから。
日々の糧くらいは森や河で狩りをして得られますもの」
「これは公爵令嬢とは思えない逞しさですね。
まあ、でも、それではあまりにも不公平でしょう。
王家がそんな事をしてしまったら、多くの貴族から反感を持たれてしまいます。
それでは国の運営に差し障りが起きてしまいます。
ここは穏便に話しを進める訳にはいけませんかね」
「穏便にですか、ノーマン第三王子殿下は何を考えておられるのです」
「特に何も考えてはいませんよ、ヒルダ嬢。
国が荒れて治安が悪化して民が苦しまないようにしたいと思っているだけです。
ああ、そうそう、もうノーマン第三王子殿下と呼ぶのは止めてください。
あまりにも仰々し過ぎますから」
先程から優しい言葉と笑顔で話していますが、強かですね。
民の事を口にして私を逃がさないようにしています。
殿下の目的は何なのでしょう。
メイナード第一王子とモンタギュー第二王子を押しのけて、王になる事が目的なのなら分かりやすいのですが、他に何か企んでいる可能性もありますね。
「分かりました、殿下。
これからは殿下とだけ呼ばせていただきます。
ですが殿下の申される治安の悪化という意味が分かりません。
むしろ表立ってグロリア夫人やヘーゼルを処分する方が、メクスバラ王国には危険なのではありませんか。
何と言ってもグロリア夫人はバニングス王国の王妹ではありませんか。
あまり恥をかかせるわけにもいかないのではありませんか」
「まあ確かに、恥をかかせ過ぎて戦争になるのは頂けません。
ですがメクスバラ王家がこれほどの恥をかかされて、泣き寝入りする必要もない。
いえ、黙っていては周辺諸国に舐められてしまいます。
ここは断固とした処置が必要になります。
ですがその為には、メクスバラ王家の本家分家が争うことなく力を合わせなければいけないのですが、メイナード兄上も困った事をしでかしてくれました」
なるほど、そう言う事でしたか。
今はノーマン第三王子殿下だけしか動いていませんが、随分前からナサニエ国王陛下直々の、グロリア夫人にかかされた恥を雪ぐつもりだったのですね。
まあ、メクスバラ王国とバニングス王国の友好のために、サヴィル公爵家は評判が悪かったグロリア夫人を後妻に迎えたのです。
あの当時は王女だったとはいえ、十数番目に流民の娘から生まれ、身持ちも悪いと評判だったのにです。
メクスバラ王家は友好のために、嫁ぎ先のないグロリア王女を引き取ってやったくらいの気持ちで、父の後妻に迎えたと聞いています。
さすがにナサニエ国王陛下も腹に据えかねているのでしょうね。
ですが、だからと言って、私がそれに付き合わなければいけない理由にはなりませんから、とっとと逃げさせてもらいます。
感想 6
あなたにおすすめの小説
「呪いの令嬢」と呼ばれて婚約破棄されたので、本当に呪わせて頂きます 〜呪い?いいえ、神の祝福です〜
霧原いと公爵令嬢エレナは「呪いの令嬢」と呼ばれ、王太子アルフォンスから婚約破棄される。
さらに偽聖女セイラや実の両親からも罵倒され、舞踏会の場で完全に断罪されてしまう。
しかしエレナには秘密があった。
それは神から与えられた“因果応報”の加護。
これまで必死に抑えていたその力を、ついに解放することにした。
「では、本当に呪わせて頂きますね」
その瞬間、王太子も偽聖女も公爵家も、罪の報いを受けることになる――。
※この作品は他サイトさんにも投稿させて頂きます
ガチの聖女が王妃になったあと
こじまき王妃ジャクリーヌは、「清廉な聖女ヴァレリーと結婚し、彼女とともにより良い国をつくりたい」という夫から、離縁を言い渡されてしまう。「聖女様は立派な方だが、王妃は務まらない」と二人を諭すも否定され、廃妃となって隣国の公爵に嫁ぐことに。一方ジャクリーヌの言葉を否定した国王は、次第に新しい王妃の言動に違和感を覚えるようになる。
聖女は、決して悪人ではない。けれども、王妃には向いていなかった。
※小説家になろうにも投稿しています。
あの日ダンスホールで何が起ったのか
四宮 あか ダンスホールは血で染まっていた。
ここでは、2時間ほど前、卒業パーティーが開かれていたはずだった。
だけど、そこには呆然とする生徒と、次は自分かもしれないとおびえきった生徒と。
王子派を中心とした死体があちこちに転がっていた。
状態からして、交戦した結果かなわず何者かによって殺害されたようだった。
2023年に書いた古い作品になります。せっかくなのでAIで誤字よなくなれーってしてます。
婚約破棄された令嬢は、今日から王子を無視します
MMMMO「エレノア・アシュフォード。お前との婚約は、この場で破棄する」
王城の大広間に響いた第一王子レオンの声に、楽団の演奏が止まった。
集まっていた貴族たちは息をのみ、次の瞬間にはざわめきが広がる。
エレノアはゆっくりと顔を上げた。
目の前では、王子が腰に手を回した美しい令嬢――侯爵令嬢セシリアが勝ち誇ったように微笑んでいる。
【完結】破棄されたのは、婚約だけではありませんでした
しばゎんゎん「私、ヴァルディア伯爵家次男、レオン・ヴァルディアはエリシアとの婚約を破棄する」
それは、一方的な婚約破棄だった。
公衆の面前で告げられた言葉と、エリシアに向けられる嘲笑。
だがエリシア・ラングレイは、それを静かに受け入れる。
断罪される側として…。
なぜなら、彼女は知っていたからだ。
この栄華を、誰が支え、誰が築き上げてきたのかを。
愚かな選択は、やがて当然の帰結をもたらす。
時が来たとき、真に断罪される者が明確に示される。
残酷な結果。
支えを外し、高みを目指した結果、真っ逆さまに転落する男、レオン。
利用価値がなくなった男〘レオン〙を容赦なく切り捨てる女、アルシェ侯爵家令嬢のミレイユ。
そう、真の勝者は彼らではない…
真の勝者はすべてを見通し、手中に収めたエリシアだった。
これは、静かにすべてを制する才女と、
自ら破滅を選んだ愚かな者たちの物語。
※毎日2話ずつ公開予定です(午前/午後 各1話を順次予約投稿予定)。
※16話で完結しました