親父はゲイで、俺は彼女に恋をした
田辺悟、十九歳。
東京のデザイン専門学校に通う、ごく普通の男子学生――と言いたいところだが、俺には少し変わった家庭事情がある。
俺を十歳の頃から育ててくれた親父は、新宿二丁目でゲイバーを営む「おかま」だ。
そんな親父に育てられた俺は、恋愛には少し疎い。
映画の恋愛ものにも興味はないし、自分が誰かを好きになるなんて、まだ先のことだと思っていた。
けれど、ある日気づいてしまった。
高校時代からずっと一緒にいる、黒髪ショートの親友――須藤亜美。
ゲームの話で盛り上がったり、くだらないことで笑ったり、時にはケンカしたり。
今までずっと「ただの友達」だと思っていたはずなのに。
他の男と楽しそうに話す亜美を見ると、なぜか胸の奥がざわつく。
……これって、もしかして。
親父のこと、友達のこと、学校での課題や仲間たちとの時間。
そんな何気ない日常の中で、俺は少しずつ「恋」というものを知っていく。
これは、恋愛に不器用な十九歳の俺が、かけがえのない親友への気持ちに気づいていく青春物語。
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