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5.転生者がもう一人
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教室の入り口で別れた後、ジェイムズは自分のクラスへ向かった。
ジェイムズは最高学年の3年生で、ハリエットは今年入学したばかりの1年生。
校舎が違う2人は廊下ですれ違うこともないが、今日もお昼は一緒に食堂へ行く約束になっている。
今日の3時限目と4時限目は体育の授業の為、2時限目の授業が終わるとすぐ体育館横の更衣室に行ったが、更衣室の中が妙に騒がしい。
「えーっ、何でもありませんってばぁ。ちょっと転びそうになってぇ、手が当たっただけじゃないですかぁ」
「でっでも、ギュッて。ギュッてしましたでしょう?」
「それは、転びかけたからぁ。力が入ってぇ」
ルーシーが青い顔をして、仲良しシスターズの一人に必死で言い訳していた。
「暴行を受けたと学園に報告致しますわ。いいえ、平民から酷い辱めを受けたと」
元々仲良しシスターズはルーシーの事を酷く嫌っていた。
平民のくせにSクラスにいて、多くの取り巻き? 仲間といるのが気に入らないらしい。
「辱めぇ? 誰がそんなちっぱ・・あっ、いや、その」
一瞬顔を引き攣らせて言い返しかけたルーシーは、慌てて口を閉ざした。
(ちっぱ○? ルーシーも転生者なの?)
ハリエットは勇気を奮って声をかけた。
「あの、何があったのでしょうか?」
近くにいた女生徒が親切に教えてくれた。
「ルーシーさんがよろけて、ミディア様のお胸に触ってしまいましたの。
ルーシーさんはわざとじゃないって仰ってるのですが、ミディア様が酷くお怒りで」
『うっかり』なのは間違い無いと思う。なぜなら、ハリエットの予想が正しければルーシーはかなりの巨○好きのはず。
周りに侍らせている女子生徒達は皆、立派な持ち物をお持ちの方ばかりだし、ルーシーが時折熱く見つめている女生徒は、クラスでも一番のサイズを誇っている。
ちっぱ○ズ・・ではなく仲良しシスターズがルーシーを嫌っているのは、その辺りに劣等感を感じているのもあるかも知れないと言うのがハリエットの予想だ。
勿論ルーシーの持ち物もご立派なので、ハリエットにとってはちょっと羨ましい。
クラスの中で一番高位のハリエットにみんなの期待が高まっているのをひしひしと感じ、ハリエットは顔が青褪めて行く。
大きく息を吸って、必死の覚悟で口を開いた。
「ルーシーさんは謝っておられるのでしょう?」
案の定、緊張して顔を引き攣らせているハリエットを見た女生徒達は、
「ハリエット様が怒ってらっしゃるわ」
「こんな些細な事で? って仰ってるのよね」
(きっ、緊張してるだけなのに)
ルーシーがハリエットの背後に走り込み、ガシッと両肩を掴んだ。
(痛い! 凄い力)
思わず眉間に皺を寄せたハリエットは、女生徒達には益々機嫌が悪くなったように見えたらしい。
「ほっほら、ハリエット様もこう仰っておられますし。ねっ?」
ジェイムズは最高学年の3年生で、ハリエットは今年入学したばかりの1年生。
校舎が違う2人は廊下ですれ違うこともないが、今日もお昼は一緒に食堂へ行く約束になっている。
今日の3時限目と4時限目は体育の授業の為、2時限目の授業が終わるとすぐ体育館横の更衣室に行ったが、更衣室の中が妙に騒がしい。
「えーっ、何でもありませんってばぁ。ちょっと転びそうになってぇ、手が当たっただけじゃないですかぁ」
「でっでも、ギュッて。ギュッてしましたでしょう?」
「それは、転びかけたからぁ。力が入ってぇ」
ルーシーが青い顔をして、仲良しシスターズの一人に必死で言い訳していた。
「暴行を受けたと学園に報告致しますわ。いいえ、平民から酷い辱めを受けたと」
元々仲良しシスターズはルーシーの事を酷く嫌っていた。
平民のくせにSクラスにいて、多くの取り巻き? 仲間といるのが気に入らないらしい。
「辱めぇ? 誰がそんなちっぱ・・あっ、いや、その」
一瞬顔を引き攣らせて言い返しかけたルーシーは、慌てて口を閉ざした。
(ちっぱ○? ルーシーも転生者なの?)
ハリエットは勇気を奮って声をかけた。
「あの、何があったのでしょうか?」
近くにいた女生徒が親切に教えてくれた。
「ルーシーさんがよろけて、ミディア様のお胸に触ってしまいましたの。
ルーシーさんはわざとじゃないって仰ってるのですが、ミディア様が酷くお怒りで」
『うっかり』なのは間違い無いと思う。なぜなら、ハリエットの予想が正しければルーシーはかなりの巨○好きのはず。
周りに侍らせている女子生徒達は皆、立派な持ち物をお持ちの方ばかりだし、ルーシーが時折熱く見つめている女生徒は、クラスでも一番のサイズを誇っている。
ちっぱ○ズ・・ではなく仲良しシスターズがルーシーを嫌っているのは、その辺りに劣等感を感じているのもあるかも知れないと言うのがハリエットの予想だ。
勿論ルーシーの持ち物もご立派なので、ハリエットにとってはちょっと羨ましい。
クラスの中で一番高位のハリエットにみんなの期待が高まっているのをひしひしと感じ、ハリエットは顔が青褪めて行く。
大きく息を吸って、必死の覚悟で口を開いた。
「ルーシーさんは謝っておられるのでしょう?」
案の定、緊張して顔を引き攣らせているハリエットを見た女生徒達は、
「ハリエット様が怒ってらっしゃるわ」
「こんな些細な事で? って仰ってるのよね」
(きっ、緊張してるだけなのに)
ルーシーがハリエットの背後に走り込み、ガシッと両肩を掴んだ。
(痛い! 凄い力)
思わず眉間に皺を寄せたハリエットは、女生徒達には益々機嫌が悪くなったように見えたらしい。
「ほっほら、ハリエット様もこう仰っておられますし。ねっ?」
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