その日の空は蒼かった
婚約者が大好きだった。 彼しか見えなかった。 ……だから、あの人の間に割り込んで来る人は、誰であろうと排除した。 でも、彼は私の事を好きではなかった。 私がした事は…… 私に帰って来た。 それも一度に、容赦も寛容も無く。 あの人の為だけに生きた私は、あの人に顧みられることも無く…… 濁った瞳が晴れ上がった空を映し出していた…… 私は私を追い詰め、落ちる所まで落ちた。 深い穴のような最低の場所から見上げる空は……蒼く、高く、澄み渡っていた。
なんて、馬鹿らしい。
自身の矮小さを思う存分見せつけられ…… あの人への執着が霧散した。
視界が黒く閉ざされ、耳に届く罵声が遠くになり、全てが終わりを告げた時…… 轟音と浮遊感が私を捕まえた。 これで、おしまい。 なにもかもが、無駄に終わったと、そう思った時…… 突然、視界が戻った。
懐かしくも、哀しみに満ちた場所への帰還。 そう、始まりの場所に……
もう一度、やり直せと言う事なの? 苦しみは永遠に続くの? 小さな手が虚空を掴む。 時間が巻き戻されたような感覚が襲う。 でも、あの蒼い空を見上げるまでの記憶は残っている。 そう、残っているのよ。 混乱した私は決心したの。
二度と恋なんてしないって
なんて、馬鹿らしい。
自身の矮小さを思う存分見せつけられ…… あの人への執着が霧散した。
視界が黒く閉ざされ、耳に届く罵声が遠くになり、全てが終わりを告げた時…… 轟音と浮遊感が私を捕まえた。 これで、おしまい。 なにもかもが、無駄に終わったと、そう思った時…… 突然、視界が戻った。
懐かしくも、哀しみに満ちた場所への帰還。 そう、始まりの場所に……
もう一度、やり直せと言う事なの? 苦しみは永遠に続くの? 小さな手が虚空を掴む。 時間が巻き戻されたような感覚が襲う。 でも、あの蒼い空を見上げるまでの記憶は残っている。 そう、残っているのよ。 混乱した私は決心したの。
二度と恋なんてしないって
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前世の悲痛な叫び、非道な仕打ち、もしそれらを大公夫妻に打ち明けてれば事態も全く違った方向に好転して、王と“もう一つの大公家”に対して大打撃を与えられたんですけど……、ホント貴族社会ってのは面倒ですね~(。・´_`・。)
キリン 様
コメント有難うございます。 嬉しいです!
貴族世界の面倒くささを感じて貰えたのならば、本当に嬉しいです。 主人公が、恋していた人が貴族のトップである、王族だったために、かなり無理してその中に居たのですが、恋心を持たないと決心した主人公にとって、貴族社会に身を置く事に何も意味を見出せなくなった。
そう、取って頂けるように、貴族世界の面倒くささを前面に押し出しています。
読んで頂いて本当にありがとうございました!
嬉しくて、小躍りしております。
龍槍 椀 拝
パンパンパンダ 様
コメントありがとうございます。 ご指摘の件は、次々回の場面にて、解消されます。
ネタバレに成りますが……
貴族の間では、前王妃が主人公を得た時期と、王宮を出た時が微妙に被っている為に、ずっと不義密通を疑われ続けて居る訳です。 ご指摘の通り、婚姻関係が「白い結婚」とすれば、懐妊する訳は無く、前王妃が、婚姻期間中に他の男性と情を交わしたという証左に成ります。 つまり「密通」が確定する訳ですが、その「白い結婚」の婚姻期間に期限が切られており、懐妊時にすでに婚姻状態では無く、王妃という立場が失われて居れば、離縁された一人の女性として、新たに愛する男性を得て、その結果主人公が生まれたという事に成ります。
現状での王宮、貴族達の認識では、
国王と結婚→ 王妃妊娠→ 王宮より追放→ 主人公生まれる→ 王妃死亡→ 次の王妃が決定される→ 王家に子供が生まれる。
です。
これを多少の嘘を交え、白い結婚がちゃんと機能していたと、主人公が国王に認めされると。
国王と白き結婚 → 白き結婚期間が満了 → 王妃が王族籍離脱 → 王妃誰かと情を交わし妊娠 → 王宮を出る(予定通りの行動) → 主人公出産 → 元王妃死亡
となり、不義密通が成立しなくなります。
という訳で、お母様の名誉回復と同時に自身の不名誉な呼称も解消しますね。 問題は期間がやたらと被っているという事です。 この為、白い結婚の満了時期を少し前倒しする事に成ります。
ご指摘、誠に有難うございました。 当初からどうしようかかなり迷っていた部分ですので、ご指摘がとても嬉しく思います。 只、厳密に言えば主人公は、国王陛下の娘ですので、これはあくまで主人公が王族、貴族から離れる為に画策した結果の筋書きとなります。
真相を知るのは、今は亡き ” お母様 ” と、国王陛下だけとなりますね。
コメント本当に有難う御座います。
今後とも、何卒、宜しくお願い申し上げます。
龍槍 椀 拝
イッキ読みいたしました。
清く、気高く、強い女性を描くこと、絶品です。
今回は、逆行。前世を反面教師し、いかに幸せに成るかですね。
権力者に負けずに、再人生を謳歌してほしいと思います。
ハッピーエンドは確約なので、過程を楽しめるといいなと思います。
菊ぞぉ 様
コメントありがとうございます。 菊ぞぉ 様のコメントには本当に力づけられます。
ハッピーエンドマニアの中の人ですので、出来る限り幸せになる事を目指いして綴っていきたいと思います。
でも、確約はしてませんよ? (笑
本当に、有難うございます。 今後とも宜しくお願い申し上げます!
龍槍 椀 拝
ここまで一気に読みました。続きがとっても気になります!
王様許すまじ!
王家の都合のいい駒になるぐらいなら『白い結婚』の公表して『庶子』となって自分から王家を棄てるんだね♪カッコいいぞー。エスカリーナには、今度こそ幸せになって欲しい。
ミレニアムって、最初からエスカリーナのドレスに何かしようとしていたんじゃない?
お披露目に出られないようにしたかったのかな?
周りの貴族子息達にも何か言われてると思うし、両親にも大切にされてる賢いエスカリーナに対抗心というか、僻みや羨みもあった気がする。
だって誰何に驚いてビクッとなっただけで、あの惨状にはならないと思うもの(ー_ー;)
まいん 様
コメント、本当にありがとうございます。 モチベーションが一気に上がります。 また、多量の文章を一気読みして頂いた事、本当に有難く思います。
ミレニアムの動向については、まぁ、あの、その内、閑話にて描きたいと思いますので、お待ちください。
コメント本当にありがとうございました。
今後とも宜しくお願い申し上げます。
龍槍 椀 拝
プロローグだけでも伝わって来るヒロインであるエスカリーナの絶望感と嘆き。(読んでいて心が痛くなるほどです。)
…彼女が生まれ変わっても、繰り返される悲劇。(あるあるの生まれ変わったら違う展開にならない⁈)
…全てを理解した上で自ら庶民になることを選ぶ。だからこそそんな彼女が心から笑うことのできる未来を切り開いてほしいです。
劇的な展開を期待しています。
行花 様
コメントありがとうございます。
想いを伝える為に問った手段が、大公家の威光を使う事だった、前世のエスカリーナ。 その悲劇的な末路を、知っているからこそ、自身を庶子であり、庶民であり、決して貴族では無いと認識している訳です。
今後とも、宜しくお願い申し上げます。
龍槍 椀 拝
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