【蹉跌の月】

──不可思議な空虚。
 沙の極。
たしかな呪文──

あたし、──杉田 弥依(すぎた みい)。
高校の入学式当日、玄関ですっころんで骨が折った。

夢のような痛みの中で、
たどった声の
見えないのに確かな糸の輪郭に触れる。

せつなゆたう時間の隙間。
時の舟で流離う想い。

見ていたのは──
あおいつきのみちかけ
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