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しおりを挟む最近では家にルイス様がいるとレオナルド達とよくお話をするようになりました。たまになんだか意地の悪い顔を男3人でしているのを見て、私とシンディで笑うんです。だってなんだか仲のいい兄弟みたいなのですもの。
そんなとても楽しい日々はあっという間に過ぎていき、私たちは学園に入学します。
でもその前に驚くべきことがあったのです。
私が叔父様達の家で暮らしていても会いに来ることなんかない両親が一度だけ会いにきました。
その理由が私の婚約者が決まったと言うもの。会ったこともない伯爵家との縁談を決めてきたのです。しかもその伯爵家は裕福なのですが、犯罪紛いのことをしてお金を稼いでいるのではないかと疑念を持たれている家です。
もちろんお祖父様も叔父様も猛反対してくれました。ですが既に結納金ももらっているとかで破棄はしないの一言でした。
お祖父様達が言ってもどうにもならないことをただの娘でしかない私が言ってどうにかなるはずがありません。
もういいのです。小さい頃から私のことなどいないものとして扱い、妹の機嫌を損ねると怒られる。そんなことなれています。きっと結婚も同じように私には無関心な人に違いありません。ただ一つだけ、今までのように叔父様たちに会えたり、レオナルド達と少しでいいから話せる時間があったらいいなと思ってしまうのです。
それから私は一度も自分の婚約者と会うこともなく、学園に入学しました。学園では専門の先生達にいろいろな分野の教育を受けられることができます。私は経営学と家政学が中心です。
将来何かと役に立ちそうなこの二つは絶対に学びたいのです。
そして、私が学園に入学してから2週間たったころ。
教室のドアでなにかを叫んでいる男性がいます。
「マリア、マリア・スターン伯爵令嬢はいるか」
あら?私呼ばれています。どなたかと思い、男性を見ると初めてお会いする私の婚約者です。なぜわかるかというと、大体の貴族の方は貴族名鑑で覚えています。絵姿がついている方は顔まで覚えております。なので初めてお会いしますが、彼が私の婚約者だとわかるのです。
「はい。私がマリア・スターンでございます」
私がドアの近くまで行き、ご挨拶すると驚いたように私の方を見ます。なぜ呼びつけて驚くのでしょうか。
「お前がナディアの姉?……なんだか聞いている話と雰囲気が違うが……
お前は病弱なナディアに健康であることを自慢するような事ばかりする意地の悪い姉だそうだな。そんな女が俺の婚約者だなんて恥でしかない!即行動を改めるように!!」
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