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第3章 レベルってゲームですか?

第37話 神の地 スキル

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「ちょ! ちょっと!? 何でそんなのが居るのよ!?」


 俺達が店内へと戻って来ると、右京さんは俺の足元でピョンピョン跳ねているエースさんを見て、悲鳴に近い声を上げる。


 この際、右京さんにもエースさんの事を紹介しておこうと思ってたんだが……時期尚早だったかもしれない。


 右京さんの顔は真っ青で、今にも倒れるのではないかと思えるぐらい汗を流している。


「あー! ポヨポヨだー!!」

 ぷるっ


 そんな右京さんの事などつゆ知らず、メマはエースさんを抱き上げる。
 因みに、もう既にエースさんの事は綺麗にしてある。流石に"ピー"とか"ピー"がついてないとしても、表面だけでも拭いとかないと、何か気持ち的に嫌だったしな。

 それを後から察した源さんは、マジマジと自分の右手を見つめていたけど……まぁ気にしない気にしない。


「スライムのエースって言うらしいぞ」
「何でアンタはそんなに普通にしてんのよ!? スライムよっ!!? 何でそんな受け入れてんのよ!!」
「天峯よぉ? 時代は変わり続けるんだぜ? 今はこう言うのが出るんだ、もっと柔軟になれよ。お前は昔からよぉ……携帯が出たって時も俺と一緒じゃないと買いに行かないとか
「あぁ~っ!!? もう!! うるさいうるさい!!」


 右京さんは顔を赤くしながら、源さんをポコポコと叩いている。


 なんか、凄く微笑ましい光景を見てしまっている気がする。両者は長年独身だと言う。昔からの付き合い、そしてこの右京さんの照れ様。

 まぁ、2人の間に何があったかは知らないが、何かしらの関係である事は間違い無いだろう。


 そんな2人を見てニヤニヤしていると、メマが俺のズボンの裾を引っ張る。


「おとーちゃん! かきおわった!!」


 お、ステータスの書き写しが終わった様で、メマの手には小さな紙が持たれていた。俺はそれを受け取ると、目を通した。


 name:メマ
 level:1
 skill:\°÷#\×〆☆
 title:[>×:|-〆€×]


「は?」


 それに俺は今日何度目か分からない、驚きの声を上げてしまった。


 名前以外、文字化けしている。こんな事があるのか?


「メマ、これ、本当にこう書かれてるのか?」
「? うん!」


 聞くとメマは元気に頷く。

 確かめ様がないから、これはメマを信じるしかないが……文字化けするなんて事普通あるのか? それに名前だが、俺が取り敢えず付けた『メマ』が名前になっている。


 もしかしたら名前が分かるかもと期待していたが……メマはメマだったか(?)。


 まぁ、文字化けしているのなら仕方がない。メマのステータスらある意味凄かったって事で終わりにしよう。


 問題はこっちだ。


「『神の地』ステータス」


 そう呟くと、また半透明なボードが俺の目の前に出て来る。



 place:神の地
 level: 1
 skill:[ ]



 神の地って何処なんだろうね? しかもレベルって何? 此処のskill欄も空欄だし。


 と、無意識に俺が空欄を指差すと脳内にピコンっという効果音が鳴った。


『詳細を記載して下さい』


「はぁ?」


 それに続き、無機質な声が頭の中に鳴り響く。


 詳細とは何なのだろうか? と、もう一度空欄部分を指差してみるが、何も鳴らない。


 なんなのだ。

 もう、なんだ。色々説明して欲しいよ、マジで。




『詳細を認証しました』
『skillが創造されます』

 ジジッ

『skill:指導者を獲得しました』




 ふむ。




 俺は顎に手を当て、頭に聞こえて来た声を噛み締める様に整理してみた。



 その結果。




 今日はもう閉店します。ありがとうございました。



 もう色々疲れた俺は、いつもよりも何時間も早く店を閉める事にした。「横暴だ!」って言って来る人も居たが、「イチャイチャ夫婦漫才するの止めてから言ってくださいよ」って言ったら黙ったので、そのまま店を閉めた。

 今からでも結婚すればぁ?
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