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第十四章 真犯人への罠
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私は、マルク殿下の目を見つめて、語り始めた。
九年前の王妃殿下の死は他殺で、犯人はドニ殿下である可能性が高いこと。その動機は、母親同士の確執に加えて、いずれマルク殿下から王位を奪うため。
その際にバール男爵から有毒植物を仕入れ、見返りに爵位を与えたが、おそらくは強請られたか何かで、殺害したであろうこと。シモーヌ夫人をも殺害したのは、逢い引きに見せかけ、カッとなった私が殺したと思わせるため。
ドニ殿下はアンバーの恋人であり、私を犯人に仕立て上げるため利用していたが、邪魔になり殺害。
さらにドニ殿下は、マルク殿下に恒常的に毒を盛っていた。鷹狩りの際にも毒物を仕込んだ。それは、ガストンに関する報告が来るのを防ぐためもある。そして、実行犯である料理人を、口封じとして銃殺した……。
マルク殿下は、目を見開いて聞いておられたが、やがて「信じられない」と呟かれた。
「シュザンヌ妃の死後、母上がドニに辛く当たられたのは知っています。しかし、王位を狙っていたとは……。そんな素振りは、少しも見せなかった……」
「あくまでも、私やアルベール様、モンタギュー侯爵による推理ですけれど。確たる証拠は、まだ挙げられていません。だからこそ、私たちは頑張っているのですわ」
「確かに、辻褄は全て合っていますね」
マルク殿下は、静かに目を伏せられた。
「アンバーのハンケチの件も、納得がいきます……」
「マルク殿下」
私は、身を乗り出して殿下に申し上げた。
「血を分けた弟君のことです、さぞかし聞いていてお辛いことでしょう。でも、今お伝えした推理が真実なら、そんな方を王位に就けてはいけませんわ。マルク殿下、諦めないでくださいませ。探せば、治療方法もあるかもしれません。私は、マルク殿下に国王になっていただきたいと思っています」
心から、私は訴えた。本音である。マルク殿下は、いつも国と国民のことを真剣に考えられている。彼ならば、きっと素晴らしい国王におなりだろう……。
「モニク嬢……」
マルク殿下が、戸惑ったようなお顔をされる。私は、さらに続けた。
「それに。少なくとも、ご結婚はなさるべきです。殿下の血を引かれたお子なら、きっと将来、モルフォア王国を背負って立てる方におなりですわ」
するとマルク殿下は、私を見つめて微笑まれた。
「では、あなたが妃になっていただけますか」
九年前の王妃殿下の死は他殺で、犯人はドニ殿下である可能性が高いこと。その動機は、母親同士の確執に加えて、いずれマルク殿下から王位を奪うため。
その際にバール男爵から有毒植物を仕入れ、見返りに爵位を与えたが、おそらくは強請られたか何かで、殺害したであろうこと。シモーヌ夫人をも殺害したのは、逢い引きに見せかけ、カッとなった私が殺したと思わせるため。
ドニ殿下はアンバーの恋人であり、私を犯人に仕立て上げるため利用していたが、邪魔になり殺害。
さらにドニ殿下は、マルク殿下に恒常的に毒を盛っていた。鷹狩りの際にも毒物を仕込んだ。それは、ガストンに関する報告が来るのを防ぐためもある。そして、実行犯である料理人を、口封じとして銃殺した……。
マルク殿下は、目を見開いて聞いておられたが、やがて「信じられない」と呟かれた。
「シュザンヌ妃の死後、母上がドニに辛く当たられたのは知っています。しかし、王位を狙っていたとは……。そんな素振りは、少しも見せなかった……」
「あくまでも、私やアルベール様、モンタギュー侯爵による推理ですけれど。確たる証拠は、まだ挙げられていません。だからこそ、私たちは頑張っているのですわ」
「確かに、辻褄は全て合っていますね」
マルク殿下は、静かに目を伏せられた。
「アンバーのハンケチの件も、納得がいきます……」
「マルク殿下」
私は、身を乗り出して殿下に申し上げた。
「血を分けた弟君のことです、さぞかし聞いていてお辛いことでしょう。でも、今お伝えした推理が真実なら、そんな方を王位に就けてはいけませんわ。マルク殿下、諦めないでくださいませ。探せば、治療方法もあるかもしれません。私は、マルク殿下に国王になっていただきたいと思っています」
心から、私は訴えた。本音である。マルク殿下は、いつも国と国民のことを真剣に考えられている。彼ならば、きっと素晴らしい国王におなりだろう……。
「モニク嬢……」
マルク殿下が、戸惑ったようなお顔をされる。私は、さらに続けた。
「それに。少なくとも、ご結婚はなさるべきです。殿下の血を引かれたお子なら、きっと将来、モルフォア王国を背負って立てる方におなりですわ」
するとマルク殿下は、私を見つめて微笑まれた。
「では、あなたが妃になっていただけますか」
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