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第十五章 明かされた秘密

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 また、アンバーに命じて、私の手袋とショール、短剣に、殺した二人の血液を付着させた。だが、手袋とショールを中庭に埋めるところまではよかったものの、その後アンバーが解雇されたことで、殿下の計画は狂った。短剣は、本来大勢の人の目に付く所で発見させようとしていたのだが、中途半端に私のワードローブに仕込むはめになった。ブローチに至っては、アンバーに仕込ませられなかったため、殿下が自ら現場へ落としたのだという。

 さらに、解雇されたアンバーが殿下の元へ押しかけようとしたため、その日のうちに殺した。翌日森番に目撃されたのは、やはりロケットを捜しに戻ったのだという。

 その後、思うように私やアルベール様に濡れ衣を着せられず焦った殿下は、鷹狩りの際に捜査指揮官のマルク殿下を殺す決意をした。いずれは殺すつもりだったから、時期が早まっただけ、というくらいの感覚だったらしい。

 殿下はあの料理人と、メルヴィク留学時代に知り合ったのだそうだ。植物に詳しい彼を、殿下はモルフォアへ呼び寄せ、最近王宮の料理人として潜り込ませた。そしてあの鷹狩りの時に毒物を仕込ませた、ということだった。

「が、モニク嬢が見破ったために、口封じで銃殺なさった、ということです。これまでマルク殿下に毒を盛っていた料理人も、すでに捕らえてございます」

 モンタギュー侯爵は、神妙な表情で仰った。

「これで、殿下が殺した人間は、計五名となりました……。ああ、ちなみに調香師ピエール殺しは、バール男爵の単独犯行のようです」

 重苦しい沈黙が流れる。やがて、侯爵は私を見つめられた。

「モニク嬢は、お聞きになりたいですか? ドニ殿下が、あなたをスケープゴートに選ばれた理由です」
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