家族に捨てられた私が、あやかしの花嫁になりまして。
時は大正。第一次世界大戦が終結し、日本で西洋の文化が栄え始めた頃。
由緒正しい名家に生まれたにも関わらず、とある理由から人々に疎まれ、蔑まれ続けた少女がいた。
この世に生を受けて十八年。心無い人間達によって心も身体も傷付けられ、感情というものをなくしてしまった彼女は、ある日ひょんなことからあやかし達の住む世界──"隠り世"へと足を踏み入れてしまう。
これは人間とあやかしの葛藤、絆、そして小さな恋心を描いた物語……。
第一章 満月の夜に
第二章
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