ヨーコとあの白い灯台と
ヨーイチは中学校に上がるのを機に、瀬戸内海の島に引っ越した。母さんの実家がある大屋島の屋ノ浦という町に、妹の映子と二人で預けられることになったのだ。六年ぶりの屋ノ浦だ。
東京から出るとき、友達にからかわれた。「島なんて、何にも無い退屈なところだぜ」
そんなこと、どうでもいい。親の勝手で行かされるんだ。これからのことなんてヨーイチはどうせ期待なんかしていない。
屋ノ浦中学校はでたらめな学校だ。ヘンな生徒にヘンな先生。授業中はうるさいし部活はなまけ部だ。でもそれ以前にヨーイチはやる気がない。なまけ部の三人で釣りをすることだけが楽しみだ。そんな投げやりなヨーイチを灯台の明りのように見守ってくれる幼なじみのヨーコ。その兄の、番長でやんちゃなヒロ兄。それからユーイチ先生、そして一年三組の仲間たち。いちいちオレに関わるなよと言いたくなるけれど、ダイコ引きの授業に合唱コンクール、卓球の練習試合と、いつの間にかみんなに支えられながら、島の生活になじんできた。「どうでもいい」から、「そろそろやる気を出さなくちゃ」と気持ちを切り替えたばかりだった。
そんな時に母親から言われた。「東京で一緒に住もう」と。
きっと寂しくなったんだ。どんだけ勝手な親なんだ・・・
東京から出るとき、友達にからかわれた。「島なんて、何にも無い退屈なところだぜ」
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