霊蒸気のミリス
「霊蒸気《ウォーゼル》」――この世の物理法則すら覆す特殊な蒸気が、人々の生活と産業を根底から塗り替えた世界、マグスス共和国。
東西を川に分かたれた小さなオディッスル村で、14歳のジョーイチは今日も村長から押しつけられた雑用に精を出していた。
橋の補修、魔獣よけの柵の設置、子供の宿題への付き合い――器用に何でもこなす反面、
この世界の要たる霊蒸気機関の適性だけは人並み以下。
それでも鉈一本と鍛え上げた身体で足りない分を補い、黙々と生きる少年だった。
そんなある春の夕暮れ、隣家に越して来た謎の女性・ミリスが挨拶代わりにとんでもないものを手渡してくる。
中身はフォディア社の株券と一万GRD紙幣の束――どう見ても只者ではない。
さらに翌日、農地に霊蒸気を操る魔獣の群れが出没。ジョーイチは国内屈指の霊蒸気使い・アレスティア姉と共に討伐へと繰り出す。
霊蒸気が飛び交う戦場で、適性のない少年は何をもって戦うのか。
霊蒸気の幕が上がる、その前日譚。
東西を川に分かたれた小さなオディッスル村で、14歳のジョーイチは今日も村長から押しつけられた雑用に精を出していた。
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それでも鉈一本と鍛え上げた身体で足りない分を補い、黙々と生きる少年だった。
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