秒針の隙間


正確なはずの時間に、わずかな“隙間”が生まれる。

五分だけ早い時計。
三秒だけ遅れるエレベーター。
未来の日付が印字されたレシート。
返却期限を迎えない本。

誰も気づかないほどの誤差。

けれど、その小さなズレは、
確実に誰かの現在を変えている。

秒針が刻む音と音のあいだ。
そこに生まれた隙間に、立ってしまった人たちの物語。

時間は、いつも正しいとは限らない。

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