秒針の隙間
正確なはずの時間に、わずかな“隙間”が生まれる。
五分だけ早い時計。
三秒だけ遅れるエレベーター。
未来の日付が印字されたレシート。
返却期限を迎えない本。
誰も気づかないほどの誤差。
けれど、その小さなズレは、
確実に誰かの現在を変えている。
秒針が刻む音と音のあいだ。
そこに生まれた隙間に、立ってしまった人たちの物語。
時間は、いつも正しいとは限らない。
目次
感想
あなたにおすすめの小説
鍵のかかった部屋
あめとおと
ホラー
閉ざされた部屋に、出口はない――。
ドアにかかった鍵は、手の届くところにない。
机の上の書類は、未来の日付を示す。
壁の影は、人の形をして、こちらを見ている。
秒針が狂い、時間が歪む。
呼吸音、囁き、影――
部屋の中にいるのは、誰なのか。
恐怖は静かに、確実に忍び寄る。
あなたは、この部屋から逃げ出せるだろうか。
正しい位置 ― 白線の内側 ―
あめとおと
ホラー
白線の内側に立つ。
拍手に合わせてうなずく。
模範解答を選び、空気を読む。
それが“正しい位置”だと、誰もが疑わない。
けれど、ほんの少しだけ、ずれてしまったら?
駅のホーム、会議室、教室、マンションの廊下――
日常の中で、静かに押し出されていく人々。
線は動いていない。
変わったのは、あなたの立ち位置。
これは、社会の“内側”からこぼれ落ちる、
小さな違和感のショートショート集。
あなたは、どこに立っていますか。
あなたへの愛を捨てた日
柴田はつみ
恋愛
公爵夫人エステルは、冷徹な夫レオニスを心から愛していた。彼の好みを調べ、帰宅を待ちわび、献身的に尽くす毎日。
しかし、ある夜会の回廊で、エステルは残酷な真実を知る。
レオニスが、未亡人クラリスの手を取り囁いていたのだ。
「君のような(自立した)女性が、私の隣にいるべきだった」
エステルは悟る。自分の愛は彼にとって「重荷」であり、自分という人間は彼にとって「不足」だったのだと。その瞬間、彼女の中で何かが音を立てて砕け散る。
消えない残響:ずっと、誰かがいる
あめとおと
ホラー
日常の隙間から漏れ出す「音」や「視線」。
一度気づいてしまったら最後、それはあなたの日常を浸食し始める。
五感を伝って忍び寄る、四つの連作短編と二つの番外編を収録。
「読み終えたとき、あなたの耳に届く音は、絶望か、それとも安らぎか――。」
〈完結〉だってあなたは彼女が好きでしょう?
ごろごろみかん。
恋愛
「だってあなたは彼女が好きでしょう?」
その言葉に、私の婚約者は頷いて答えた。
「うん。僕は彼女を愛している。もちろん、きみのことも」
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
真実の愛の祝福
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
皇太子フェルナンドは自らの恋人を苛める婚約者ティアラリーゼに辟易していた。
だが彼と彼女は、女神より『真実の愛の祝福』を賜っていた。
それでも強硬に婚約解消を願った彼は……。
カクヨム、小説家になろうにも掲載。
筆者は体調不良なことも多く、コメントなどを受け取らない設定にしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる