美術教師の檻――「描き終わるまで帰さない」画家の執着

帰ろうとしたドアに、鍵がかかっていた。

「描き終わるまで、帰してあげられない」

新進気鋭の画家・柊蒼一郎(28)が、穏やかに微笑む。
新任美術教師の透也(24)は、凍りついた。

――どうして、こんなことに。

すべては、柊の「君を描きたい」という言葉から始まった。

透也は生徒の兄である柊に憧れていた。大学時代、個展で見た作品に感動していたから。モデルを頼まれて、断れなかった。

最初は普通だった。

だが、柊の視線が変わっていく。

「シャツを、脱いでほしい」
「もう少しだけ」
「君は、美しい」

ポーズ調整という名目で触れられる身体。約束の時間を過ぎても終わらないセッション。深夜2時まで続く拘束。

そして――扉の鍵。

透也は逃げる。だが、柊の執着は止まらない。

一日100回の着信。深夜まで鳴り続けるインターホン。帰宅中の尾行。校門前での待ち伏せ。

「何度も後をつけました。いつ学校を出るか、どのルートを通るか、全部覚えました」

これは、ストーカーだ。

だが、柊は泣きながら言う。

「僕は一人だった。母が出て行って、ずっと孤独で。先生に会って、初めて愛を知った。これは愛です」

透也の心が、揺れる。柊の孤独に、一瞬共感する。

喫茶店での対峙。弟・悠斗の介入。柊は約束する。「もう近づきません」「治療を受けます」

だが――

透也は気づいてしまった。
自分も、柊を求めている。

毎晩、柊の名前を呼びながら処理する。触れられた感触が消えない。恐怖だったはずなのに、身体は正直だ。

そして、透也は決意する。

『今度は、俺から会いに行く』

アトリエでの再会。キス。触れ合う身体。痛みと快感。

だが、社会は二人を許さない――

執着と愛の境界線。
アトリエという密室で交わる、絵の具と汗と体温。

男同士の愛が、社会と対峙する。

※R18(濃密な性描写あり)
※執着・監禁・ストーカー的要素を含みます
※全28話完結・75,000字
※困難はあるが、揺るがない結末
24h.ポイント 21pt
19
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