蜃気楼
水の魔法使いであるラッティはSランク水魔石を完成させる間近に殺された。犯人は第二妃。彼女はラッティがアラージフ陛下から寵愛を受けていると勘違いしていたようだ。だが寵愛以前にアラージフとはほとんど顔を合わせていない。やりとりだって手紙を介して業務的な連絡を行うのみである。勘違いもいいところだが、それを訴える余裕さえない。完全に意識が途切れる直前、ラッティは今後こそは普通の生活が送れますようにと強く願った。そう、彼女が殺されるのはこれがはじめてのことではない。殺される度に十六の誕生日に戻り、何度もループを繰り返しているのである。
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