心臓が動き出した

 刀と刀が交差する。

 男の格好をした侍、名を柳生無花果。

 女の格好をした侍、沖田村崎。

 二人の火花を散らす剣技。

 互いに剣の道を歩む、同じ学校に通い、やがて敵となる。

 君と刀を交えているときだけが、僕の幸福だった。

 僕の心臓は鉛でできている。脳ミソはモルタル。

 人間であるがゆえに重い体。
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