あのね?
まだ花も恥じらう乙女だったころ、私は村の人から『歌うたいの巫女』なんて名前で呼ばれていた。故郷の村は自然豊かなことだけが誇りの場所で、まともな娯楽らしいものとも縁がない。そこで私の歌は重宝され、目を付けた村長にさまざまな制限をかけられるようになる。冠婚葬祭をはじめとした節目ではみんなのために歌をうたい、言われるがまま生きていた私に、とうとう山神様の元へ行くように命が下された。事実上の生贄と分かりつつも、なすすべのない私。最後に少しでも悪あがきをしようとしたところ、運命の出会いが訪れた。
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