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 純一は再び溜め息を吐くと、

「分かった」

 とだけ口にし車を降りるのだ。

 そして司も純一の車を降りると純一の左腕を掴む。 そんな司に純一は変な感じがした。

 確かに純一と司は恋人同士だが司自ら純一にしがみついてくるとは思ってなかったからかもしれない。

「そないビックリとした顔しなくてもいいじゃんか……俺達っていうのは、恋人同士なんだからさ」

「ああ、まぁ……そうだな」

 だが側から見れば仲のいい親子にしか見えないだろう。

 二人は腕を繋いだまま遊園地入口へと向かう。

 その間に色々な人に注目を浴びている二人。 いや主に注目を浴びているのは純一の方だ。

 純一は身長も高く、かっこいい。 振り向かない女性がいない位の注目されてしまっているようだ。

 そして入口手前にてチケットを買うと司が言っていた遊園地内へと入って行く。

 ここは都心部にある遊園地とは違い、人が少なく緑のある遊園地で空気までも違う。

 入口を出ると司は純一の腕から離れはしゃぎながら木々のトンネルを抜け階段を降りて行く。

「司ー、あんま早く行き過ぎると迷子になるよ」

 そう純一は言うものの司の方は純一に笑顔を向けると、

「へーき、へーき!」

 と答えるのだ。

 純一は司の子供のような行動にまた溜め息を吐き、司の後を足早に追う。

「……って司は何処に行こうとしてるんだい?」
「そりゃ、ジェットコースターに決まってるじゃん!」
「場所が何処だか分かっているのかい?」

 その純一の言葉にピタリと足を止める司。
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