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家族の章

他者を救うことができる自分って素敵♡

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<愛>だの<優しさ>だの<正義>だの<平等>だの<権利>だの、そんな綺麗事だけで幸せになれんなら誰も苦労しねえっての。そんな言葉を並べて誰かを救った気になってるような奴あ、

『他者を救うことができる自分って素敵♡』

ってえオナニーしてるだけだろうが! 臭えんだよ!!

確かに、俺のしてることもただのオナニーにゃ違いねえ。けどな、だからってそれを誰かに自慢するつもりも押し付けるつもりもねえよ。オナニーならオナニーらしく自分だけでやっとけ! 他人のオナニーショーなんざ見たくねえ!

……まあ、好みの女のそれなら、見たくねえわけじゃねえけどよ……

って、それあ向こうに置いといて、とにかく俺は俺がしたいことを俺にできる範囲でしてるだけに過ぎねえ。ただ、リーネはもう手が離れたし、あと二人くらいならまだ行けそうかなって気はしてる。

カーシャは、他の三人よりも手はかかるだろうが、実はもしかすると、四人の中で一番利口なんじゃないかという予感もあるんだ。この辺は、ただの<親ばか>の可能性もあるから今すぐはどうこう言えねえが、カーシャは、もうすでにきちんと危険と安全の区別がつけられてるかもしれねえ節がある。しかも危険だと感じれば余計なことはしねえ。火には近付かねえ。俺の鍛冶道具には触らねえ。一人にしておくと、そこから勝手には動かねえ。

まだ三歳にもなってねえのにそれなんだ。普通の子供は、二歳とか三歳くらいの頃には『危ないからするな』と言ってもやったりすることあるだろう? カーシャにはそれがねえんだよ。かと言って知能が低いから何もできねえってわけでもなさそうなんだ。言葉も割とちゃんとしゃべる。こっちの言ってることをだいたい理解してる。何より表情が知性的だ。目が見えてねえから目付きには違和感はあっても、全体的には締まった顔つきをしてるんだよな。顔だけ見てるともっと年上にも見える。

『目が見えない』ってのを他の能力で補ってるってことかも知れない。知能を含めた他の能力でな。

耳がいいのはもちろん、鼻もよく利くみたいだし、触覚も優れてるようだ。触れたものがどういうものかをすぐに察する。

普段はあまり歩かないが、それも結局は、危険回避のためなんだろう。彼女が周囲を認識できる速度以上の速さで移動しないことにしてるようだ。

ほら、普通の人間でも、暗闇とかだと、ゆっくり移動しようとしたりするだろ? それと同じなのかもしれねえ。

とにかく、大した子なんだよ。

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