静かな悪戯 ― faint traces ―

― それでも彼は、静かに待ち続けていた ―


姿を消したアルを、彼は探し続けていた。

街に溶け込む、微かな揺らぎ ――
変わらない喫茶店の窓辺 ――
何も変わらない日々 ――

それでも彼は、ただ静かに信じている。
アルが、まだどこかに存在していることを。

これは、止まっていた時間が静かに動き始める前の、
小さな戯れの記憶。

『静かな悪戯 ― faint traces ―』
彼の場合。


※「静かな悪戯 ― Just one touch. ―」の後の、静かな時間を描いています。

※本作は『静かな悪戯』世界観による独立した短編です。
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