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忘れてもなお、めぐり逢う伝承幻想譚――
過去の記憶を持たぬひとりの女が、ある島を訪れる。
そこで彼女は、古びた神楽殿に不思議な懐かしさを覚えていた。
小望月の夜、彼女の体は透け始め、
島に古くから伝わる「神楽の巫女」として見出されてしまう。
島の言い伝え――
花婿候補――
閉ざされた部屋――
何も知らぬまま囚われた彼女を救おうとしたのは、老いた島の神主だった。
月夜の海で失われた記憶と、真珠に残された想い。
忘れたはずの縁が、静かにもう一度めぐり始めた。
※本作は「揺らぎシリーズ」の一話完結作品です。
※約5,000字/読了目安:約9分
文字数 5,257
最終更新日 2026.06.19
登録日 2026.06.19
――その時アルは、静かに空を見上げていた――
夕暮れの公園。
子供たちが泥をこね、無心に何かを作っている。
やがて子供たちは帰り、
砂場には小さな泥団子だけが残される。
意味もなく何かを作る者。
そして、それを壊してしまう者。
これは、
まだ何も動き出していない頃の、小さな記憶。
『静かな悪戯 ― Faint Traces ―』
アルの場合。
※『静かな悪戯 ― Just One Touch. ―』の後の、静かな時間を描いています。
※本作は『静かな悪戯』世界観による独立した短編です。
※約500字/読了目安 1分
文字数 519
最終更新日 2026.03.21
登録日 2026.03.21
――それでも彼は、静かに待ち続けていた――
姿を消したアルを、彼は探し続けていた。
街に溶け込む、微かな揺らぎ――
変わらない喫茶店の窓辺――
何も変わらない日々――
それでも彼は、ただ静かに信じている。
アルが、まだどこかに存在していることを。
これは、止まっていた時間が静かに動き始める前の、
小さな戯れの記憶。
『静かな悪戯 ― Faint Traces ―』
彼の場合。
※『静かな悪戯 ― Just One Touch. ―』の後の、静かな時間を描いています。
※本作は『静かな悪戯』世界観による独立した短編です。
※約1,100字/読了目安 2分
文字数 1,088
最終更新日 2026.03.07
登録日 2026.03.07
触れてはいけないはずの手、
それでも、その手は差し伸ばされた――
古書と紅茶を愛する彼は、
ただ静かに、人間の世界を眺めていた。
触れることも、救うこともなく。
けれどある日、
その“はず”だった手が、ふと差し出される。
相手は、かつて同じ側にいた青年。
もう戻れない場所から、誰かを救おうとしていた者。
一言だけ残されたメモ。
そこには、たったひとこと――
「thanks」
それは、始まりの夜。
触れてはいけない者同士が、静かに繋がる、
ある一夜の物語。
※本作は、本編を知らなくても読める独立短編です。
※約1,100字/読了目安 2分
文字数 1,121
最終更新日 2026.02.14
登録日 2026.02.14
届いた言葉に、返せなかった答え。
人に干渉することを禁じられた“制約を守る者”と、
その境界に立った“青年”。
偶然の出会いから始まった、ふたりの静かな日々。
言葉少なに交わす紅茶の時間。
雪の夜、隣に座るだけの関係。
「守る」ことの意味。
「触れなかった」その想い。
そして、応えられなかった「別れの言葉」という選択――
これは、“沈黙”が語る物語。
最後に残るのは、雪のあとに残された、確かな想い。
※本作は『静かな悪戯』世界観による、別視点・独立構成の物語です。
※全6話/3,500字/読了目安 7分
短く読み進められる、『静かな悪戯』本編直前の物語です。
文字数 3,608
最終更新日 2026.02.01
登録日 2026.02.01
その光は、誰かのために。
月で生まれ、地球へ託された少年カナタ。
人を癒す力を持つ“月神子《つきみこ》”として静かに暮らしていた彼の体に、
ある日、誰にも言えない異変が現れはじめる。
世界では“次元のゆがみ”が発生し、
異形の翼竜が人々の生活を脅かしていた。
極秘の「KAGUYA計画」と、カナタの異変は深く結びついていく。
監視役として派遣された青年・服部は、
任務として少年を見つめるはずだった――。
やがて彼は、
“守るべきひとりの存在”としてカナタと向き合っていく。
育ての親・霧子は、真実を抱えたまま彼を支え続けていた。
やがて明かされる、自らの存在の意味。
カナタは「世界に残す光」を、静かに選び取っていく。
優しさと使命が交錯する、静かなSFファンタジー。
※全35話/26,000字/読了目安 50分
少しずつ読み進められる中編SFファンタジーです。
文字数 25,914
最終更新日 2026.01.19
登録日 2025.12.18
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