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王様が城に戻る頃暫くしてルカリオ兄達を乗せた馬車が帰って来た。
学校から戻った4人はアニー姉を除いて疲れた顔をして部屋に入って来た。
「おおっ、子供達待っておったぞ!おーっ、ショーンまた背が伸びたな!」
「まぁ、まぁ…お帰りなさい待って居たのよアニーもエミリーもレディになって…」
「お帰り、ルカリオ何だ疲れた顔をして…学校で何かあったのか?」
「「「おじ様、おば様、スティーブン兄様…!」」」
ショーン兄とエミリー姉とルカリオ兄が驚いた顔で声が一緒に出ていた。
「きゃ~っ!スティーブン兄様いらっしゃ~い!フフフ」
「「「「……」」」」
何故かアニー姉だけがテンションが高く他の兄達は疲れていた。
「……学校で何かあったの?まさか何か言われたの…」
ユリーナ母さんは今日兄姉達を学校に行かせる事で悩んでいたユリウス父さんと離婚した事で学校で嫌な事があったのでは…と心配していた。
「無視してくれた方が僕達は良かったのに…今日学校に行くと下駄箱の中は大量の手紙の山に違うクラスの子達が教室を覗き込むし、御手洗いまでも付いて来る子もいた。父様と母様が別れた話しは皆知っていたけど、何故か皆笑顔で寄って来るから怖かった何故皆僕達兄姉に寄って来るのかと1人の女の子に聞いてみたんだ。父様がシルビア様と結婚するからその父様の子供という事で
皆が集まっていると言っていた。」
はぁ…とため息を吐いて話し終えたルカリオ兄が疲れた表情を見せていた。
「いい迷惑ですわ男子が周りをウロウロしましたらゆっくりと読書も出来ませんわ御父様がシルビア様と御結婚する事でわたくし達迷惑しております」
エミリー姉も自由に動けなく困って居たようだ
「僕もいつもいる女の子の倍に増えて居るから動きずらかった…後から入ってきた女の子と口喧嘩始めて大変だったんだよ…」
ショーン兄は学校でも女子にモテているようで、女子同士の喧嘩で悩んで居たようだ。
「ウフフ私も男の子が優しくて荷物持って貰ったり勉強教えて貰ったりジュースも奢って貰ったのもう幸せ!ふふっ」
アニー姉は男子から優しくして貰った事が嬉しかったようだ。
1人を除いて3人の兄姉達はため息を吐いていた。
「「「「……」」」」
「……まぁ学校で虐めがあった訳では無いようだが…逆に羨ましいな子供達は……」
ユリーナ母さんは虐めには合って居ない事でホッと胸を撫で下ろしていた。
「今日はおじ様とおば様それにスティーブン兄様まで何か合ったのですか?」
ショーン兄が久しぶりに会った3人に声を掛けていた。
「ああ、お前達が気になってな寄ってみた所だ…元気そうで何よりだ」
ユリーナ母さんの父親が兄姉達の様子を見にきたと笑顔で話しをしていた。
「あのね、今日ねカイちゃんのお料理食べたんだよ」
リン姉がサンドイッチとパンの耳の事をルカリオ兄達に話しをしていた。
「良いな…僕もカイの料理食べたかったよ」
「料理までするのか?カイトは…3歳の体でどうやって料理したんだ?」
「ショーン御兄様3歳の体ではなくショーン御兄様より高い身長で料理をしたと思いますわ」
相変わらずのショーン兄とエミリー姉の会話で周りの家族達は笑顔を見せていた。
家族皆が集まっている中俺は厨房をまた借りてジャガイモをスライスしてポテトチップスを作り皆の前に出した。
「カイ何処にいたの?」
「にぃお帰り…うん、これを作っていたんだ食べてみる?」
ルカリオ兄は1枚手に取り食べて驚いていた。
「美味しいよ!カイ、パリッと塩味がして何枚でも食べてしまうよ」
「え?塩味のお菓子なのか?カイト」
「うん、ショーン兄様甘いの苦手そうだったからこれなら大丈夫だと思って作ったんだ」
ショーン兄も1枚手に取り食べて喜んでいた
「カイトが僕の為にお菓子を作ってくれた…ううっ…涙も塩味だよ」
「涙は元々塩味ですわよショーン御兄様」
「や~ん、美味しい!私カイちゃんのお嫁さんに成りたいな~っ」
「ハハハハ…カイトが困って居るぞ、それにしてもこんな食べ物まで作るとはカイトは嫁いらずたな」
「ふふふ…本当にカイトちゃんは何でも出来るからお嫁さんがいらないかもね」
「うっ…もう僕の将来が決まっているのですか?」
「ハハハカイには僕が居るよ」
「あっ、ルカリオ兄様カイトを独り占めは狡いよ僕も居るんだから」
「カイトは人気者だね、君の子供達は」
「ふふふ困って居ますけどカイちゃんが」
そっと寄り添うようにユリーナ母さんとスティーブン伯爵はお互い見つめ合い微笑んでいた。
家族皆で夕食も終わりユリーナ母さんの両親とスティーブン伯爵達が帰る事になった。
「ユリーナまた来るぞ、子供達にも宜しくな」
「ユリーナ今日は本当に良かった…スティーブンのお陰ね」
「御父様、御母様…今日は来てくれて有難う……」
ユリーナ母さんは両親を抱き締め別れを惜しんだ
「ユリーナ…」
「スティーブン御兄様…」
スティーブン伯爵はユリーナ母さんの両手を握り締めていた。
「ユリーナまた来るよ、ユリーナが落ち着き子供達に話しても良いと思った時教えて欲しい。」
「スティーブン御兄様…」
ユリーナ母さんとスティーブン伯爵はお互い口付けを交わし別れを惜しみ3人を乗せた馬車が見えなくなるまでユリーナ母さんは見続けていた。








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