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「おはようございま~す!」
「お早う御座います。」
「…お早う御座います……」
騎士の総隊長が居るのは分かるが何故王様が一緒何だ?と、王様は暇なのか?と色々考え事をしていた。
「おおっ、お早う元気だな子供達はやはり小さい子供が居ると良いもんだな…ん?どうしたのだカイト驚いた顔をして」
「…何でも無いです」
王様は俺の顔を見てニコニコと笑顔で居たため朝から何か良い事でも合ったのか?と俺は王様の顔を見て思っていた。
「王様からお土産を頂いたから御礼を言いなさい。」
王様がお菓子を持って来てくれたようでリン姉がとても喜んでいた。
「「有難う御座います」」
「わーい!ありがとうございま~す!!今開けたらダメ?母様」
「まだダメです。お勉強が終わってからです」
「ええ~っ、勉強終わってからなの?!」
「ハハハハ…勉強が早く終われば食べる事が出来るぞ」
「は~い、ジェーンお兄ちゃま早くお勉強に行こう!」
「リンそんなに早く行っても…ちょっと待って」
リン姉はジェーン兄の腕を引っ張り慌てて客室を出ていった。
俺はジェーン兄達が出て行った扉を見ていた時王様から声を掛けられた。
「カイト私の隣に座るかい?」
ポンポンと隣が空いてる処に「おいで」とまるで誘っているように思い、王様だから断る訳にはいかず王様の側に来るとソファーが少し高い為俺は自分で座る事が出来ず王様が俺の小さな体をひょいと抱き上げ隣に座らせ俺の顔をジッとニコニコ顔で見ている為視線が痛かった
「ユリーナ様連絡も無しに屋敷にお邪魔をして申し訳なかった。」
「いえ、大丈夫で御座います。ユリウス様から総隊長様の事を伺っておりましたのでいっでも御見えに成ることをですからお気になさらなくても大丈夫です」
「それを聞き安心しました。」
総隊長はホッと肩の力を抜いていた。
「屋敷にお伺いしたのはユリウスがユリーナ様と子供達が気になっていた事もありユリウスの代わりに私が伺ったのです」
「…そうですか、私の事はもう気になさらないで下さいとユリウス様にお伝え下さい。ユリウス様にはシルビア様がお側にいらっしゃるのですシルビア様だけを幸せにして上げる事を考えて下さいと伝えて下さい」
ユリーナ母さんは総隊長の顔を見て笑顔で応えていた。
「……」
ユリーナ母さんの話しを聞き何処か驚いた顔を見せている総隊長はユリーナ母さんが騎士部屋で話しをした時の寂しさが無く今は総隊長の知っているユリウス父さんと一緒に幸せにいた頃のユリーナ母さんに戻っていた為驚いていた。
「総隊長様?」
「え、ああ、いえ…騎士部屋で見たユリーナ様とは別人に見えて私が知っていますユリーナ様に戻っていた事に驚いたもので無理に私の前で笑顔を見せて居るのかと思いましたが…ユリーナ様ひとつ伺っても宜しいですか?」
「はい、どうぞ…」
「……ユリーナ様にお聞きする事が心苦しいですが、ユリウスがシルビア様と御結婚をされた後ユリウスがユリーナ様に求婚を申し込む事がありましたらユリーナ様はユリウスと一緒に成るお気持ちはおありかと思いまして…」
総隊長はユリーナ母さんの顔が見れず視線を反らし訪ねていた
「私はユリウス様からの求婚の申し込みがありましても一緒になる気持ちは御座いません…私はブランシェ家の当主でもあるのです。これから先も無いと考えて貰えたらと思っております。」
総隊長はユリーナ母さんの返事を聞きユリウス父さんが自分に一緒にまた城で生活をすると言っていた事に胸が苦しく成る思いだった。
「総隊長様、私とユリウス様の事で御迷惑を御掛け致しまして申し訳御座いません…総隊長様には御心配を御掛けするばかりでお恥ずかしい限りです」
「いえ、ユリーナ様お気になさらず私も御応えにくい事をお聞き致しました。ユリーナ様のお気持ちを伺う事ができ良かったですこれでユリウスにはっきりとユリーナ様の気持ちを伝える事が出来ます。」
「あ……あの、総隊長様ユリウス様には私の事は話さないで下さいますか?!」
「え、ああ、はい分かりました…」
「ユリーナ殿、総隊長に話してはどうなんだ?いつかはブランシェ侯爵にも話さなくては成らないだろう……先に総隊長が知っていればユリーナ殿が城に来た時は総隊長も力になってくれる筈だ」
ユリーナ母さんと総隊長の話しを隣でジッと聞いていた王様がユリーナ母さんにスティーブン伯爵の事を話してはと言っていた。
「あ……でも、まだ子供達にも御話しをしておりませんので…」
「もう一緒に成る事は決めているのだろう?子供達に話す事は後からでも良いだろう今は目の前にいる総隊長に伝えたら良い」
ユリーナ母さんは頬を赤く染め悩んでいる様子で、総隊長は2人の会話に自分に何か言いたい事があるのか?とユリーナ母さんを見ていた。
「ユリーナ様、私にお話しがあるのですか?」
「え!…あ…あの……お伝えにくい事ですが…ある方に結婚の申し込みを頂いたのです…それでその方と一緒成るかもしれないと思いまして……」
「……」
「…総隊長様?」
総隊長は突然のユリーナ母さんが別の男性と結婚するとの事を聞き驚き声が出なかった。
「あの…総隊長様……」
「え、あ…ああ、すみませんユリーナ様まさかユリーナ様にその様な御方が居ますとは……」
「驚かせて仕舞いまして…私も驚いているのです……ユリウス様と別れて塞ぎ込んでいる私に声を掛けて下さった方がいまして…私もまだユリウス様の事を想っております…まだ他の方を想っている事を知り私に結婚の申し込みを下さったのです。」
「……ユリーナ様はその方といずれは一緒に成りたいとお考えなのですね」
ユリーナ母さんは総隊長の問いかけに頷いた。
「……私が落ち着いた頃に子供達にも御話しをしたいと思い、ユリウス様にもお伝えしたいと思っております。」
「そうですか…分かりましたユリーナ様が御自分でユリウスにお伝えすると良いでしょう……私はユリーナ様を支えるお手伝いが出来ればと思っております。」
「総隊長様…」
「おめでとう御座いますユリーナ様今度はユリーナ様が幸せになる時です。」
「クスクス…まだ決まった訳ではありませんわ総隊長様…有難う御座います」
ユリーナ母さんと総隊長はお互い笑い合い総隊長は自分に出来ることがあればいつでも頼って欲しいと話しをしていた。
「良かったのユリーナ殿…総隊長に話しをして居ればブランシェ侯爵もユリーナ殿に求婚の話しはしない事だろう…シルビアもユリーナ殿の事を気にしていたからの……ブランシェ侯爵に求婚者が1人減った事で何も変わりはしないが…」
王様は2人に聞こえないような声で俺に話しをしていた。
















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