転生してまで俺の後を追いかけるのは止めろ～父様と僕は兄弟でした～

３８

俺と王様はユリーナ母さんとリン姉が待ち合わせ場所にと決めている街の中心にある噴水広場に向かっていた。
相変わらず王様に声を掛けて来る女性は結構いた。
この国の女性は積極的な人が多いのかと驚かされている
女性２人のうちの１人が王様に後妻の事を聞いてそれにも驚いたが、王様が目の前で断る事にも驚かされた。
王妃様が怖いと言っていた王様だが「後妻にしたくても出来ない人が居る」と言う事を聞いて王様にも悩む事があるんだなと、そして王様から想われているその人は幸せ者何だなと思いながら俺は王様から抱っこされたまま進んでいた。
「…王様…ずーっと抱っこして腕が痛くありませんか？」
「ん？いや、大丈夫だそなたは軽いからな抱っこしがいがあると言うかの…そなたのお尻が気持ち良いと言った方が良いかもしれぬが……」
「ええっ！？」
俺は恥ずかしくなり王様に抱っこすることを止め降ろして欲しいとお願いをした
「お、おう……降ろして下さい。自分で歩きます！」
「こ、こらっ！？カイト暴れるではない！」
俺は王様だと言う事も忘れ王様の顔から顎に掛けて小さな手でぐぐっと押しやりとにかく降ろしてくれと抵抗した。
そんな俺に我慢出来なかったのか王様が抱っこしている反対側の手で俺の暴れて居る手を握り締め俺の小さな唇に王様の唇がまた重なり俺はそれでも驚き目を見開き王様の近くにある顔を見ていた。
「んん……！？」
王様は重ねた唇を離しまだ唇が触れるか触れないかの距離で話し掛けていた。
「…ふっ……誰も見てはおらぬ…見ても仲の良い親子が父親が息子を可愛がる姿で写って居るだけだ」
王様は歩きながら俺の顔全体に軽くチュッ、チュッ…とキスをして通り過ぎる人達はクスクスと笑ったり「あら良いわね」と声を掛ける人も居て俺はもう顔が真っ赤になり王様にキスは止めて欲しいと言った
「お、王様……キスは止めて下さいもう暴れませんから……」
俺は観念して王様に抱っこされる事にした。
「私はこのままキスをしていたいが、カイトが嫌なら仕方がないの…」
王様はニヤニヤとした顔で俺が嫌がる事を知りながら業とキスをしていた。
「う……王様の意地悪…」
「ククク……カイトの困っている顔が可愛いからの…ククク…」
俺は王様から遊ばれているようで、俺達の目の前に大きな噴水広場があった。
丸く円になっている周りに水を噴き出した噴水に周りは緑の芝生のようで本を広げて読んでいる人もいれば親子連れも居て子供達だけを遊ばせ夫婦は人目も気にせずキスをしている夫婦に数名のカップルが芝生の上に座り寄り添いながらキスを交わすカップルが結構いた。いざ目の前で沢山のカップルを見ると外国に来ている見たいに思わせる。
「おおっ、結構な人だな…それに男と女のカップルしかいないの…男同士は居ないのか？」
王様は芝生の周りを座っている男女に何故かキョロキョロと男同士を探して居るように見えた
「……王様誰を探して居るのですか？母様達はまだ来ていませんけど……」
「ああ、男同士一緒にいる所を探せばカイトも黒髪のカイトの姿で一緒に居る事が出来ると思ったからの…どうだもう１人のそなたに成らないか？」
「……御断りします…」
「何だ吊れないの……」
クスクスと王様は笑い芝生の空いている場所に抱っこをしていた俺を降ろし王様も俺の隣に座った。
この国の王様が地面に座りカップルだらけの場所に居るなんて誰が想像するのだろうかと…座った姿でも絵に成るように彼氏が隣に居るのにチラッ、チラッ、と王様を見ている女性に彼氏は機嫌が悪くなる者も居て噴水から離れるカップルも何人かいた。
俺はその光景を見て女性の視線が王様を見ているのに王様は気にならないのかずーっと隣に座っている３歳の俺の顔を見ては頭を撫でたり手を握り締めたりとベタベタとくっ付いてカップルと変わらない行動を王様は取っていた。