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「通り魔での話しは本当です…総隊長……」
声だけが聞こえる総隊長はユリウスの言葉に耳を傾けた
「……そうか…」
総隊長は暫く黙ったまま屋敷の方へ顔を向けた
「……屋敷の中では今は騒動だろうな…」
「……」
「子供達の成長がこれからだという時に…正義感の強い事は分かっては居るが死んだら意味がないだろう…お前の命はお前一人だけの命では無いのだぞ、シルビア様との式も控えていた。
通り魔とのやり合いで危ないとは思わなかったのか?」
総隊長は自分の隣に座っている姿の無いユリウスに怒りをぶつけていた。
「……思いましたが気付いた時には手遅れでした……すみません総隊長…」
「…外回りは人通りが多く常に警戒をするようにとお前は部下達に教えていた奴が自分の警戒を緩め相手に隙を見せてどうするこの馬鹿者が!」
総隊長はユリウスの頭はこの辺りだろうと思い見えない頭を叩き出した。
「ハハ……総隊長良く私の頭がこの辺りだと分かりましたね…頭は痛く無いのに胸が痛いです……総隊長お願いが有ります。私の変わりに子供達に剣稽古を託しても良いですか!?今日ジェーンが総隊長に教わって居る姿を見て思いました」
「ジェーンが誰かの声と背中を押してくれたと話して居たがあれもお前がやった事なのか?」
「…はい、守りが多いジェーンに攻める事を教えてあげたかったのです……ジェーンが城に来ることがあれば剣稽古を教えるつもりでした魔法にも興味があるジェーンに剣と魔法を合わせた闘い方を知って欲しかったのです」
「ユリウス……今話せるのなら自分の口で話しをすると良いだろう私が皆に今のお前の状態を教えてやる…最後に家族と一緒に過ごすと良いだろう…」
「総隊長…」
「最後まで世話の妬ける部下を持ち私は気が休まる日は無かったぞ……私が逝くまで剣稽古の手を緩めるなよ天界でお前と会う時に剣の腕前を試してやるから覚悟する事だな…ユリウス」
総隊長は隣に座るユリウスに向け左腕を差し出した。
友好の証として上司でもあり部下でもあり騎士仲間の友でも在った総隊長とユリウスの最後の挨拶でも在った。
「死んでも剣稽古を総隊長とまたするのですか?勘弁してくださいよ」
クスッ…とユリウスは笑い魂と成った姿だが生前と変わらない人の形でユリウスは右腕を差し出し総隊長の左腕と重ね最後の挨拶を交わした。
ユリウスと総隊長が闘技場にいる頃屋敷内では悲しみに包まれていた。
ユリウスの遺体は生前屋敷に住んでいた自室のベッドの上に寝むる姿は今にも起き出して来る様な感じで死んでいるとは思えない程だった。
「旦那様…旦那様…」
屋敷に残っているメイド達と使用人達がユリウスの死に皆悲しみ声を出して泣くメイド達の姿も在った。
俺はユリウスをベッドに寝かせ魔法によって体が生きている頃と変わらず柔らかく成ってはいるが手で顔を触った時氷の様に冷たいのを感じ安らかな表情で眠るユリウスを俺は苦痛の表情で見る事しか出来なかった。
コンコンと扉を叩く音がしてユリーナ母さんが片腕に衣服を持ち部屋に入って来た。そして俺の側に来ると小さな声で話し掛けていた。
「……御兄様これをユリウス様に御願いします…」
ユリーナ母さんは俺に黒い礼服を渡されそれを見て俺は驚いた。
俺達本田兄弟が生きていた頃に着る服でこの国では珍しい服の形をしている黒の背広にズボンに白のカッターシャツに黒のネクタイが一式として俺に渡された。
声だけが聞こえる総隊長はユリウスの言葉に耳を傾けた
「……そうか…」
総隊長は暫く黙ったまま屋敷の方へ顔を向けた
「……屋敷の中では今は騒動だろうな…」
「……」
「子供達の成長がこれからだという時に…正義感の強い事は分かっては居るが死んだら意味がないだろう…お前の命はお前一人だけの命では無いのだぞ、シルビア様との式も控えていた。
通り魔とのやり合いで危ないとは思わなかったのか?」
総隊長は自分の隣に座っている姿の無いユリウスに怒りをぶつけていた。
「……思いましたが気付いた時には手遅れでした……すみません総隊長…」
「…外回りは人通りが多く常に警戒をするようにとお前は部下達に教えていた奴が自分の警戒を緩め相手に隙を見せてどうするこの馬鹿者が!」
総隊長はユリウスの頭はこの辺りだろうと思い見えない頭を叩き出した。
「ハハ……総隊長良く私の頭がこの辺りだと分かりましたね…頭は痛く無いのに胸が痛いです……総隊長お願いが有ります。私の変わりに子供達に剣稽古を託しても良いですか!?今日ジェーンが総隊長に教わって居る姿を見て思いました」
「ジェーンが誰かの声と背中を押してくれたと話して居たがあれもお前がやった事なのか?」
「…はい、守りが多いジェーンに攻める事を教えてあげたかったのです……ジェーンが城に来ることがあれば剣稽古を教えるつもりでした魔法にも興味があるジェーンに剣と魔法を合わせた闘い方を知って欲しかったのです」
「ユリウス……今話せるのなら自分の口で話しをすると良いだろう私が皆に今のお前の状態を教えてやる…最後に家族と一緒に過ごすと良いだろう…」
「総隊長…」
「最後まで世話の妬ける部下を持ち私は気が休まる日は無かったぞ……私が逝くまで剣稽古の手を緩めるなよ天界でお前と会う時に剣の腕前を試してやるから覚悟する事だな…ユリウス」
総隊長は隣に座るユリウスに向け左腕を差し出した。
友好の証として上司でもあり部下でもあり騎士仲間の友でも在った総隊長とユリウスの最後の挨拶でも在った。
「死んでも剣稽古を総隊長とまたするのですか?勘弁してくださいよ」
クスッ…とユリウスは笑い魂と成った姿だが生前と変わらない人の形でユリウスは右腕を差し出し総隊長の左腕と重ね最後の挨拶を交わした。
ユリウスと総隊長が闘技場にいる頃屋敷内では悲しみに包まれていた。
ユリウスの遺体は生前屋敷に住んでいた自室のベッドの上に寝むる姿は今にも起き出して来る様な感じで死んでいるとは思えない程だった。
「旦那様…旦那様…」
屋敷に残っているメイド達と使用人達がユリウスの死に皆悲しみ声を出して泣くメイド達の姿も在った。
俺はユリウスをベッドに寝かせ魔法によって体が生きている頃と変わらず柔らかく成ってはいるが手で顔を触った時氷の様に冷たいのを感じ安らかな表情で眠るユリウスを俺は苦痛の表情で見る事しか出来なかった。
コンコンと扉を叩く音がしてユリーナ母さんが片腕に衣服を持ち部屋に入って来た。そして俺の側に来ると小さな声で話し掛けていた。
「……御兄様これをユリウス様に御願いします…」
ユリーナ母さんは俺に黒い礼服を渡されそれを見て俺は驚いた。
俺達本田兄弟が生きていた頃に着る服でこの国では珍しい服の形をしている黒の背広にズボンに白のカッターシャツに黒のネクタイが一式として俺に渡された。
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