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「旦那様?!」
ユリーナ母さんもテーブルの椅子からゆっくりと立ち上がりユリウスの眠るベッドの方へ顔を向けた。
「父様……父様……ごめんなさい…父様…僕は父様に……酷い事を…」
ショーン兄はユリウスの体に顔を埋めユリウスに酷い事を言ってしまったと泣きながらユリウスの体に顔を埋めた。
「ショーンは悪くはないよ、父様が悪かった……父様の我が儘で家族を悲しませてしまった…済まなかった…ショーン…」
ユリウスは自分の体に泣きながら謝るショーン兄にそっと肩に手を当てた。ショーン兄は自分の肩に触れる事に感じユリウスが自分の肩に手で触って居るのだとショーン兄も肩に手をやりユリウスの手と重なる様に握り締めていた。
「父様、父様、何処に居るの?父様…姿を見せて、父様の体の中に入ってよ……父様…」
アニー姉がユリウスの顔を触り目を開けない事で周りをキョロキョロと見始めてユリウスの姿を探した。
「アニー…父様は声だけで姿が見えないんだよ、こんな父様は嫌かな……食事部屋で話し掛けてはいたけど怖がっていたからね…」
「!?あれは父様だったの?どうして名前を言ってくれなかったの?」
「えっ…名前を言う前にアニーが先に悲鳴を上げて部屋を飛び出してしまったからね……ごめんね怖がらせてしまって……」
「……父様…」
アニー姉はポロポロと目から涙を流し食事部屋での声がユリウスだと聞くと一緒にテーブルの椅子に座り自分達の会話を楽しんで聞いてくれていた事に嬉しくそして悲しんだ。
食事部屋での声がユリウスだと知ったエミリー姉が白いテーブルの椅子に座ったままユリウスに話し掛けていた。
「あの声は御父様の声でしたの?!わたくし達を驚かせるなんて趣味が悪いですわ御父様…レディを全速力で走らせるのは御父様だけですわ…」
エミリー姉が目に涙を浮かべそっぽを向いていた。
「…エミリー、驚かせて済まなかったね…まさか走って部屋を出て行くとは思わなかったんだよ…エミリーにも辛い思いをさせて悪かった」
「…わたくしは別に御父様の事等……」
エミリー姉はユリウスの声を聞き今まで堪えていた涙が流れ落ち顔を手で隠しテーブルの上で泣いていた。
それを見ていたユリーナ母さんがエミリー姉の頭を撫で下ろしていた。
「……旦那様…ずっと御側に居たのですか?!」
ユリーナ母さんが目に涙を溜め姿が見えないユリウスに問いかけていた。
「ずっとではないが、暫く総隊長の側に居たんだよ、そしてカイトの側に行きまだ食事をしていない家族と一緒に私も食事がしたいと思いカイトが私の為に用意をしてくれたんだ。」
ユリウスはテーブルの側に行き泣いて居るエミリー姉の頭を何度も撫で下ろしエミリー姉は自分の頭を触っている様な温もりが分かり、そしてユリウスはユリーナ母さんの頬を触り頭にキスを落とした。顔を触っている事に気が付いたユリーナ母さんはユリウスの手を重ねたように自分も手を当てていた。











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