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幸せな日

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今日はホルン家の食事会に行く日になりブランシェ家で働くカレンは仕事をしていた。午後から休みを貰った為午前中は仕事をする事にしていた少しでもユリウスの側に居たいと思ったからだ。
だが今日はカレンにとって大事な日に成っていた。ロバート伯爵との結婚を決めた日でもあった。
カレンはロバート伯爵の母親にロバートと結婚をする代わりにブランシェ家のメイドの仕事を続けたいとの事を条件でロバートとの結婚を決めたのだった。
「貴女が後妻としてロバートの子供を授かるのでしたら今まで通りブランシェ家で働いて良いのよ、有り難うカレンさんロバートとの結婚を決めてくれて食事会の日が楽しみだわ」
カレンはロバート伯爵の事も好きに成っていた。ロバート伯爵と結婚をして子供を持ち家族としての生活が出来た時ユリウスの事を諦める事が出来るのだろうか……とも考えていた。
ワイワイ…とユリウス付きのメイドが外出用の服と化粧箱を持ちユリウスの部屋に向かい今日はユリウスも騎士の仕事を休みをとっていた。ユリーナ母さんの部屋にもメイド達が外出用の服を持ち今日は二人とも出掛けるのだとカレンは見ていた。
午前中の仕事を終え午後からはホルン家に行く事に成っている。
今夜の為の衣装を用意してくれるとの事でカレンは甘える事にした。


「ルィーズ、ルィーズ、何処に居るんだ?」
「旦那様私はここですわ」
ルィーズ夫人は今日の食事会でメイド達と一緒にカップに入ったケーキを作っていた。
ルィーズ夫人はお菓子を作る事が好きで良くロバート伯爵とメイド達に振る舞っていた。
「何を作って居るんだい?甘い香りがして美味しそうだね一つ貰えるかな」
「駄目です、旦那様これは今日の食事会に御母様達とカレンに食べて貰うのですから旦那様もその時一緒に食べて下さい」
「ええっ、お預けか…一つくらいいじゃないか?」
「駄目です……うっ……!?」
「ルィーズ?」
「奥様?」
ルィーズ夫人は手で口を押さえ離れの水呑場に向かった。
「ルィーズ!?」
バタバタとルィーズ夫人の後を走るロバート伯爵はルィーズが水呑場で吐く姿を見て背中を差すっていた。
「…ルィーズ大丈夫かい?……今日は止めていた方が……」
「……大丈夫ですわ、旦那様……つまみ食いをしたせいですわ」
後からメイド長が来てルィーズ夫人の様子を見てもしやと思い声を掛けていた。
「奥様…もしや御懐妊では在りませんか?この所あまり食事を為さらない御様子でしたので……」
「……赤ちゃん……!?」
ルィーズ夫人はお腹に手を当て驚きロバート伯爵の顔を見ていた
「ま……まさか……ルィーズ!!」
「旦那様!」
二人は抱き合い喜びが止まらなかった。
「旦那様、医師様に御連絡を御願い致します、まだはっきりと決まった事では在りませんので」
「ああっ、分かった。ルィーズ安静に無闇に動き回る事はしないでくれ」
「ふふっ、旦那様ったら…」
ロバート伯爵は医師を呼びに行きルィーズ夫人はそっとお腹に手を当て「夢では在りませんように……」と微笑みお腹を差すっていた。
医師の診察を受けていたルィーズ夫人は妊娠している事を告げられ屋敷の者達はロバート伯爵とルィーズ夫人に祝福をあげていた
「おめでとうございます。旦那様、奥様!!」
「有り難う皆…有り難うルィーズ……」
「旦那様…」
ロバート伯爵はルィーズ夫人に口付けを交わしお互いに喜び抱き締め合っていた。
「今日の食事会は両親も喜び素敵な日に成るよ」
「旦那様……私、嬉しくて……」
「これからは家族三人幸せな家庭を築き上げるよ」
ルィーズ夫人は喜びの涙を流し今夜の食事会の準備をしていた。








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