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氷で覆われた我が子

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「……ん…」
どれ程眠って居ただろうか、窓にさす眩しい太陽の光でベッドの上で眠る顔に手を当て窓を見つめていた。
辺りを見回したルィーズ夫人は見馴れた部屋に気付き今自分の部屋の中にいる事に気が付いた。
「……私、医師様から薬を飲みそのまま眠ってしまったのね……私屋敷に戻って来たのね…」
眠りに着いてから何も覚えて居ないルィーズ夫人は側に居ないロバート伯爵に気が付き昨夜のカレンとの婚約披露宴を思い出し「まさか…旦那様はカレンと一緒では!?」
考えるだけで具合いが悪くなりそうになる気分でロバート伯爵を探そうとルィーズ夫人はベッドの上から体を起こしベッドから放れようと足を床に着いた時目眩とお腹に痛みを感じ思わず床に座り込んでしまった。
「……」
ルィーズ夫人は床に足と手を付き体を丸めそしてお腹の方に手を当てた。
「……赤ちゃんは!?……私の……旦那様との赤ちゃんの気配が感じ取れない……」
ポタ、ポタ、と座り込んでいる床に水が落ちルィーズ夫人は目から涙が流れ落ち床に体を横になり手で顔を隠し声が出るか出ないかの声で泣き続けた。
「ううう……赤ちゃん……私の……赤ちゃん……」
コンコン!と、扉を叩く音が聞こえロバート伯爵が小さな籠を持ちルィーズ夫人の部屋の中に入って来た。
「……ルィーズ…」
部屋に入ったロバート伯爵は床で体を寝かし泣いているルィーズ夫人を見て驚き、両手で持っていた籠をベッドの上に置くとルィーズ夫人の側に膝を付き泣いているルィーズ夫人に顔を手で涙を拭いそしてロバート伯爵はルィーズ夫人を抱き抱えベッドの上に座らせ小さな籠を手に抱えていた。
ロバート伯爵は小さな籠を持ちルィーズ夫人の隣に座りルィーズ夫人が泣き止むのを待ち続けた…お互い体を寄せロバート伯爵はルィーズ夫人の後ろ頭に手をやり自分の肩にルィーズ夫人の頭を寄せ時々頭にキスをしてお互い黙ってルィーズ夫人の苦しむ泣き声を聞きながらロバート伯爵は目を閉じて待っていた。
「……フゥ……だ……旦那様……」
ルィーズ夫人はロバート伯爵に声を掛けた時に小さな籠に気付きルィーズ夫人はゆっくりと手を伸ばしていた。
籠の中には子供が生まれた時の為体を包むようにと動物の絵が描かれた毛布が大事に包むように被されていた。
ルィーズ夫人の手が震え被された毛布をゆっくりと開き中から氷が見え、ルィーズ夫人はこの氷が何なのか分かったようだった。
「……昨夜から溶けて居ないんだよ…君の能力を受け継いでいたみたいだ、君にも見せてあげたかったと思うこの子がどんな能力を持ち生まれて来るのかを私達の子供は親思いの子供だったよ」
ロバート伯爵はルィーズ夫人の手を重ね氷で覆われた我が子にも手を重ねていた。








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