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夜遅くにごめんなさい

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俺はシェル王子のマッサージが気持ち良くいつの間にか眠っていたらしい、ふっ、と目が覚め俺は確か座っていた筈なのに身体はベッドの中で寝かされていて部屋の中は外からの月の明かりで薄明かるさで何とか見える状態だ
何となく覚えのある記憶で眠っている俺(ウィル)の身体が浮いたような感じがして頭を撫でられた記憶があった手の大きさから多分シェル王子の手だったと思う…何度も頭を撫でられているから分かった
シェル王子のマッサージが普通なのには驚いた何かしてくるかなと思ったけど何もなく拍子抜けしたと言うか……ちょっと待てまるで俺がシェル王子が何かしてくる事を待っているみたいじゃん…
「ううっ考えただけでも恥ずかしい何を考えてんだ俺は…」
俺は夜の何時頃かも分からない薄明かるい部屋で、一人顔に両手をあてベッドの中で「うおおっ」と唸っていた
俺の声が聞こえたのか廊下から人が話す声が聞こえてきた俺は「やばっ」と思い寝たふりをする事にした。もしかしてニックかなと思ったけどこんな夜遅くに呼び出す訳にはいかずささっ…と俺は掛け布団を顔に被せるように如何にも寝てますを演じてみることにした。
コン、コン…夜遅いから控えめの扉を叩く音がして静かに開いた
「失礼します…殿下?起きていますか」小声のニックの声が聞こえてきて、俺は布団の中でくちを手で押さえていた。何も可笑しい事があるわけでもないのに必死で笑いを堪えていた
この光景中学の修学旅行で、夜男子と騒いで先生の見回りで慌てて布団の中に入って、必死で笑いを押さえ結局先生に張れ怒られたっけ…懐かしいな…ん?ちょっと待てよ俺確か高二だったよな修学旅行行ってないぞ…確か北海道でスキーだったはずだ!
ガバッ❗
「え~~俺楽しみにしてたのにーーっ」
「うあっ!?」
「へ?」
俺が思いっきり掛け布団をめくり叫んでしまった為、ニックが俺の側まで来ようとしていたらしく、突然掛け布団が宙に舞いニックが驚き後退りをして固まっていた……廊下ではニックと一緒に護衛担当をする事になった、俺とシェル王子が抱き合っていた所を見ていた護衛騎士が居て、開いた扉の前で驚きの顔をしてくちがポカーンと空いていた
俺は「夜遅く騒がせてごめんなさい」と二人に謝っていた

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