婚約破棄物語から始まる真実の愛

「エマリア、すまない。私は真実の愛を見つけた。君との婚約は破棄させてもらう」

 ――その言葉は、庭園に吹き抜ける春の風よりも冷たく、鋭く、私の胸を切り裂いた。

「……どうして」

 そう呟いた声は、自分でも驚くほど震えてかすれていた。

「君はユミアに会う度、嫌がらせをしていただろう? ユミアの物を隠したり、水をかけたり……そんな人だとは思わなかった。心底失望したよ」

 突き放すかのような放たれた言葉に、私はただ呆然とするしかなかった。

(こんなはずじゃなかったのに……!)
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