秘密の学園生活

Seabolt

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転校生

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 教室に戻ると、懐かしい声がしてきた。

「和希!!」

 目の前で、ため息をついている恭子をしり目に、声がする方向へ目をむけるとそこには、一人の少女が私に向かって走ってきていた。彼女の名前は、木下弥生・・・実は彼女、中学と転向する前の高校まで同じという、ほぼ、幼馴染といってもいい、しかも、彼女のお父さんは、私の父と同じ会社ときたもんだから、前の学校でも、家が近いせいもあって、結構、仲がよかった。
 しかし、恭子の状態から今朝の件は、弥生が犯人なのは確かなんだけどと思っていると、そのまま走ってきて、私に抱き着いてきた

 「ひさしぶり~」

 「あ・・うん・・・」

 私の返事に彼女の顔が曇る・・・当然といえば当然なんだけど、周りの状況からして、私も困惑の色を隠せないでいた。そんなことに気付いたのか、いい意味でいえば正直、悪い意味でいえば、不器用な彼女

 「どうしたの?そんなによそよそしいなんて!!おかしいよ!!」

 確かにそうなんだけど、私の手を握って、ぶんぶんと振って、一生懸命に友情を私に求めているのは、わかるんだけど・・・今朝のことを考えると・・・と思っていると爆弾発言第一弾がさく裂した。

 「そういえば、昨日、食堂と間違えて変な部屋を開けたら・・・めちゃ怒られてまいったわよ!!」

 周りの空気が一瞬で凍てついたのが分かったんだけど、ここは、特待生の教室、そのことが唯一の救い・・・思わず彼女の口を押え

 「それ以上は・・・」

 私の目をじっと見つめる弥生、なんとなく、わかったらしく私の手を振りほどいて。

 「気を付けるわよ・・今度から・・・・」

 そこまで、いうと彼女はにかりとほほ笑んだ。すると、横から恭子が話しかけてきた。

 「和希の知り合い?」

 「うん・・・中学からの友達・・・」

 恭子の笑顔に嫌な予感・・・

 「そうなの・・じゃぁ・・・あと教育係お願いね・・・」

 「あ・・やっぱり・・・」

 こうして私は、弥生にこの学校の事情を説明することになった。そんな話の途中、妙なところで、弥生は食いついてきた。

 「神5の中の男子ってかっこいいの?」


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