婚約破棄？何を言ってるの？

婚約破棄されるみたいですよ

とりあえず話を聞きましょう

シュバルトとティアの後ろに控えていた子息達がここだ！と言わんばかりに前に出てきた。

あらあら、この平民さん、地位が高い方々にばかり手を出してるのは聞いてましたが、家を継ぐ予定の方ばかりに手を出しているんですね。

次期子爵が2人、次期伯爵と次期侯爵、それからあの馬鹿(次期公爵)ですか。流石、としか言いようがありませんわね。

と考えてると断罪劇が始まってしまった。

｢3週間前、ティアのことをわざと転ばせて皆の笑いものにした！｣
｢2週間前、ティアの悪い噂をわざと広めて、除け者にした！｣
｢4日前、ティアが買えないとわかっていてわざと教科書を破り捨てた！｣
｢一昨日、ティアを階段から突き落とした！｣

わぁ......凄いですね。えぇ、もう、どこかで読んだことのある小説と同じ内容ですわ。
ここまで似せてくる辺り、ティアさんは自分がヒロインだとでも思ってる感じかしら？
まぁ、1番凄いのは子息達、全員が堂々と真実と言わんばかりに話していることですわ。

｢まぁ、階段から突き落とされてすぐ、俺が近くを通りかかったから良かったものを｣

俺が助けたんだ、と自慢げに仰っておりますが...。
先に皆様にお伝えしておきますね。本当に私は何もしておりません。

｢シュバルト様方はなぜ私がそんなことをしなければならないと思ったのでしょうか？｣

と、とりあえず聞いておきましょうか。
返ってくる答えはわかりきっておりますが

｢はぁ？貴様が俺とティアが仲良くしているのを見て、嫉妬からティアを虐めたんだろう！｣

はい、頂きました。勘違い発言。
なぜ私があれに嫉妬するのでしょう？貰っていただけるなら喜んで差し出しますのに...。



そう答えようと思っているところで

｢これはなんの騒ぎだ？｣

と威厳のある声が響いた。