133 / 277
最後の選択
さっさと
しおりを挟む
ぼやける視界の中、僕は真斗さんを見上げる。
真斗さんはまだ全然、若く見えて、少しだけやつれていて、でもお父さんらしさもある。
僕に真斗さんとの思い出はない。僕が出来たのは真斗さんと白音さんが離婚してからだから。だから、分からない。真斗さんがどんなんだったか。少しだけわかるのは、真斗さんが僕ことを見ると白斗の体が震えることだけ。僕が震えているのではなく、多分白斗の記憶が震えていると思う。
「白斗。ごめん。寝てて良いって言ったのに、起きてる?・・起きてるよ。夜丘、やっぱり何かあったんたね。夜丘教えて。僕は大丈夫だから。ね?うん。白斗は父親に会いたい?・・・そりゃあね。だってもう何年も会ってないんだよ。じゃあ目の前にいるって言ったら会う?・・・・・・白斗?・・・・・白斗?どうしたの?白斗。」
喋らなくなった白斗の代わりに体が尋常じないほど震えて来た。
それと同時に鵺瀬の気持ちの中に『怖い』という感情が出た。これは、鵺瀬じゃなくて白斗の感情だ。
「白斗・・・怖いの?」
そう聞いた瞬間、僕の手が顔を隠した。意識は僕だが、今、体を動かしているのは白斗だ。
「怖い。怖いよ、夜丘。僕、何が怖いのか分からないのに恐怖が僕を襲う。助けて夜丘。怖いの。怖いの。怖いよ。」
白斗は顔を隠して泣く。「怖い」と呟きながら。
白斗にとって真斗は怖いんだ。白斗はそれが分かってない。
会いたいけど、怖い。
怖いけど、会いたい。
僕は会わせた方がいいのかな?
真斗さんはまだ全然、若く見えて、少しだけやつれていて、でもお父さんらしさもある。
僕に真斗さんとの思い出はない。僕が出来たのは真斗さんと白音さんが離婚してからだから。だから、分からない。真斗さんがどんなんだったか。少しだけわかるのは、真斗さんが僕ことを見ると白斗の体が震えることだけ。僕が震えているのではなく、多分白斗の記憶が震えていると思う。
「白斗。ごめん。寝てて良いって言ったのに、起きてる?・・起きてるよ。夜丘、やっぱり何かあったんたね。夜丘教えて。僕は大丈夫だから。ね?うん。白斗は父親に会いたい?・・・そりゃあね。だってもう何年も会ってないんだよ。じゃあ目の前にいるって言ったら会う?・・・・・・白斗?・・・・・白斗?どうしたの?白斗。」
喋らなくなった白斗の代わりに体が尋常じないほど震えて来た。
それと同時に鵺瀬の気持ちの中に『怖い』という感情が出た。これは、鵺瀬じゃなくて白斗の感情だ。
「白斗・・・怖いの?」
そう聞いた瞬間、僕の手が顔を隠した。意識は僕だが、今、体を動かしているのは白斗だ。
「怖い。怖いよ、夜丘。僕、何が怖いのか分からないのに恐怖が僕を襲う。助けて夜丘。怖いの。怖いの。怖いよ。」
白斗は顔を隠して泣く。「怖い」と呟きながら。
白斗にとって真斗は怖いんだ。白斗はそれが分かってない。
会いたいけど、怖い。
怖いけど、会いたい。
僕は会わせた方がいいのかな?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
37
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる