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第1章
第百十一話 帰宅
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エソルタ島の奪還が完了したこととユウキの姉のソフィア、マアヤが生きていたことを伝える。皇帝陛下であるエルゴードのエソルタ島への想いは強く、復興開始式典のことや転移魔法陣の設置についても一日中警備を付けることも了承してくれた。
話はポンポンとまとまり、最後にエソルタ島をもう一度この目で見たいと言い出した。
「連れていく分には構わないが、エソルタ島を”見たい”というよりソフィアとマアヤに”会いたい”じゃないのか?」
「……はははっ。そうだな。今更隠し事をする仲ではなかったな」と、大きく笑ったあとに
「先日の仮面舞踏会のことは絶対言うなよ!紳士協定だからな!頼むぞ!」と、真面目な顔になって俺に懇願するように言う。
そのセリフさっきゾンヌフからも聞いたよ……。
「それじゃあ三日後の夜に迎えに来るよ」
「ああ、待っているぞ」
そういって皇帝陛下と別れ、窓から出てクロックアップで城の外まで全速力で駆けぬける。せっかく遠くまで来たのだから観光も兼ねて、帰る前にギルドに寄って情報を収集してみよう。
カガモン帝国の首都だけあって人は多く、活気に満ちていてギルド内も大変にぎわっていた。受付に列にならび、少しの間待つことになったのだが、三つある窓口には男性二名の獣人、女性一名のエルフがた立っている。
心の中でエルフ、エルフ……と念じていたら、本当にエルフのお姉さんの窓口に当たった。
サァ!!と、心の名で雄叫びを上げる。
「こんにちは、ご用件は何かしら?」
声が素晴らしい。
「ギルド配信の情報だけ欲しくてね。はい記録石(キロクセキ)」
ドキドキしながら記録石を渡す。
「は~い……冒険者ランクは”壱”ね、あら?討伐情報はほとんど無いのね?」
記録石はずっとアイテムボックスにしまっていて、討伐情報はつけないようにしている。
初心者と思われてしまったようでなんだか少し恥ずかしい。ランクも”参”くらいまで上げておこうかな……。それでも情報を更新してもらっている間、他愛のない世間話をして楽しんだ。
エルフはたまにしか見かけないけど、どこに国があるのかな?
嫁にはエルフ好きということがばれていて、下心が見え見えなので聞くことはできない。
しまったなぁ、ゾンヌフにでも聞いておけばよかった……。そんなふうなことを思っていると処理が終わり、記録石を受け取る。
「はい、どうぞ。頑張ってね」
ん~やっぱりいいねぇ。色っぽい。
レイラも八分の一はエルフの血が流れていて好きなタイプなのだが、せっかくなのでやはり純血を見てみたい。
ギルド配信情報を確認すると、よくあるダンジョンの攻略情報や落とし物、人探し、トップランク冒険者へのインタビューなどがあって、特に目新しいものは無かった。
そうだ、式典のメインイベントで使うための道具も見ておかないと……そう思っていくつかの道具屋を見て回ったが俺が求めているものは無かった。当てが外れたな、色々と作り出してくれそうなカラルに相談してみるか。
情報収集もそれなりにできたので、レイラのところへ帰ろう。いつものように異世界転移魔法を使って、イドンの賃貸の家に帰る。
「ただいま~。レイラ」
「おかえりなさい、あなた」
満面の笑みで出迎えてくれた。そして手を繋いで部屋に連れていかれる。長い抱擁とキスを重ね。レイラはようやく落ち着いたようだが、俺は逆に落ち着かない状態になってしまった。
メイドさんは同居しているが、一人でほっとかれて寂しかったに違いない。
そのまま手を繋ぎ、街を散策することになった。イドンの街は高級リゾート地でおしゃれなお店が多く、逆に冒険者向けの店は少ない。
ウィンドウショッピングしてのどが渇けば海が見える喫茶店でお茶をしたりしてデートを楽しむ。こまめに連絡していたが、会って話すのとでは全然意味が違う。二人でたくさん話して笑い合った。
一つ一つのリアクションが本当にかわいらしい。
幸せな時間だ……こういう時間の積み重ねで家族になっていくものなのかな……。
夕食は家で用意してもらっているので、日が沈むころに家に戻った。
メイドさんとも一緒に食べながら、俺はこれからのことを伝えた。
「これからエソルタ島のことで忙しくなるのでこの家にはあまり戻ってこられないかもしれないけど……」
「じゃあ私もついていくよ、エソルタ島はもう安全なんでしょ?」
「そうだね、一緒に行こうか」
「旦那様、それではお引越しでしょうか?」
「そうか、そうなるね……」
「では早速これから荷造りに取りかかります。荷物は少ないので明日の朝食後には終わると思います」
「うん、よろしくね」
家を借りてあまり日が経っていなけどがしょうがないよな……。
夜は宝具ストレージから”側室の寝具”だして、レイラとともに眠る。”契の寝具”もそうだがまったく便利な道具だ。一緒にベッドでいちゃいちゃするだけするだけで俺の強さが分配されて本人たちが知らないところでどんどん強くなっていく。この宝具は誰が創ったんだろう。
ひょっとしてカラルの兄のアールマーじゃないかという気がしてきた。
話はポンポンとまとまり、最後にエソルタ島をもう一度この目で見たいと言い出した。
「連れていく分には構わないが、エソルタ島を”見たい”というよりソフィアとマアヤに”会いたい”じゃないのか?」
「……はははっ。そうだな。今更隠し事をする仲ではなかったな」と、大きく笑ったあとに
「先日の仮面舞踏会のことは絶対言うなよ!紳士協定だからな!頼むぞ!」と、真面目な顔になって俺に懇願するように言う。
そのセリフさっきゾンヌフからも聞いたよ……。
「それじゃあ三日後の夜に迎えに来るよ」
「ああ、待っているぞ」
そういって皇帝陛下と別れ、窓から出てクロックアップで城の外まで全速力で駆けぬける。せっかく遠くまで来たのだから観光も兼ねて、帰る前にギルドに寄って情報を収集してみよう。
カガモン帝国の首都だけあって人は多く、活気に満ちていてギルド内も大変にぎわっていた。受付に列にならび、少しの間待つことになったのだが、三つある窓口には男性二名の獣人、女性一名のエルフがた立っている。
心の中でエルフ、エルフ……と念じていたら、本当にエルフのお姉さんの窓口に当たった。
サァ!!と、心の名で雄叫びを上げる。
「こんにちは、ご用件は何かしら?」
声が素晴らしい。
「ギルド配信の情報だけ欲しくてね。はい記録石(キロクセキ)」
ドキドキしながら記録石を渡す。
「は~い……冒険者ランクは”壱”ね、あら?討伐情報はほとんど無いのね?」
記録石はずっとアイテムボックスにしまっていて、討伐情報はつけないようにしている。
初心者と思われてしまったようでなんだか少し恥ずかしい。ランクも”参”くらいまで上げておこうかな……。それでも情報を更新してもらっている間、他愛のない世間話をして楽しんだ。
エルフはたまにしか見かけないけど、どこに国があるのかな?
嫁にはエルフ好きということがばれていて、下心が見え見えなので聞くことはできない。
しまったなぁ、ゾンヌフにでも聞いておけばよかった……。そんなふうなことを思っていると処理が終わり、記録石を受け取る。
「はい、どうぞ。頑張ってね」
ん~やっぱりいいねぇ。色っぽい。
レイラも八分の一はエルフの血が流れていて好きなタイプなのだが、せっかくなのでやはり純血を見てみたい。
ギルド配信情報を確認すると、よくあるダンジョンの攻略情報や落とし物、人探し、トップランク冒険者へのインタビューなどがあって、特に目新しいものは無かった。
そうだ、式典のメインイベントで使うための道具も見ておかないと……そう思っていくつかの道具屋を見て回ったが俺が求めているものは無かった。当てが外れたな、色々と作り出してくれそうなカラルに相談してみるか。
情報収集もそれなりにできたので、レイラのところへ帰ろう。いつものように異世界転移魔法を使って、イドンの賃貸の家に帰る。
「ただいま~。レイラ」
「おかえりなさい、あなた」
満面の笑みで出迎えてくれた。そして手を繋いで部屋に連れていかれる。長い抱擁とキスを重ね。レイラはようやく落ち着いたようだが、俺は逆に落ち着かない状態になってしまった。
メイドさんは同居しているが、一人でほっとかれて寂しかったに違いない。
そのまま手を繋ぎ、街を散策することになった。イドンの街は高級リゾート地でおしゃれなお店が多く、逆に冒険者向けの店は少ない。
ウィンドウショッピングしてのどが渇けば海が見える喫茶店でお茶をしたりしてデートを楽しむ。こまめに連絡していたが、会って話すのとでは全然意味が違う。二人でたくさん話して笑い合った。
一つ一つのリアクションが本当にかわいらしい。
幸せな時間だ……こういう時間の積み重ねで家族になっていくものなのかな……。
夕食は家で用意してもらっているので、日が沈むころに家に戻った。
メイドさんとも一緒に食べながら、俺はこれからのことを伝えた。
「これからエソルタ島のことで忙しくなるのでこの家にはあまり戻ってこられないかもしれないけど……」
「じゃあ私もついていくよ、エソルタ島はもう安全なんでしょ?」
「そうだね、一緒に行こうか」
「旦那様、それではお引越しでしょうか?」
「そうか、そうなるね……」
「では早速これから荷造りに取りかかります。荷物は少ないので明日の朝食後には終わると思います」
「うん、よろしくね」
家を借りてあまり日が経っていなけどがしょうがないよな……。
夜は宝具ストレージから”側室の寝具”だして、レイラとともに眠る。”契の寝具”もそうだがまったく便利な道具だ。一緒にベッドでいちゃいちゃするだけするだけで俺の強さが分配されて本人たちが知らないところでどんどん強くなっていく。この宝具は誰が創ったんだろう。
ひょっとしてカラルの兄のアールマーじゃないかという気がしてきた。
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