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7 エステティックぅ

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「ちょっと、いえ!たっぷりあるからお願いよ!」

「はい……」

 私は女官にお願いしてお風呂後の脂肪マッサージをメイド達に頼んだ。

「もっと強く!」

「はいっ!」

「もっと激しく!!」

「はいっ!」

「いたたたたた」

「すいませんっ!殺さないでくださいっ!」

「そんなことする訳ないじゃないっもっとよ!」

「はひいいいい」

 お風呂で温まった脂肪をこれでもかこれでもかと動かしてもらう。最初のうちは痛いだけだったけれど、ドンドン慣れたのかそれともメイド達の技術が上がったのか……。

「良い……良いわ、皆……良い……!」

「ありがとうございます!」

 私はいつの間にか上級エステティシャンを何人も育成していたみたいなのよね。

「マジカルハンドにはボーナス上げないとだわね」

「マジカルハンド?」

 マリリーが首を傾げるので

「論より証拠!」

 と、マリリーにも施術して貰ったら

「ボ、ボーナス物ですわぁ……凄いわあ……!」

 と、ぽわぽわになっていたので、やっぱりウチのメイド達は上級エステティシャンなのよ!

 私は食生活を見直して、甘いおやつを制限、勿論野菜中心で、更に運動して、ついでに神聖力をバリバリ使い、ついでにエステで脂肪をもみ砕き……。更に16歳と言う若さも手伝ってみるみるうちに体重が減って行った。

 なんせ将来がかかっているんだもの!必死になるわよ。

「あ、あのね?シシリーちゃん?最近貴女随分と軽やかになったわよね?」

「お母様、はっきり言って宜しいのですよ、デブがだいぶ解消したでしょう?」

「え?!え、ええ……そうね」

 お母様の目が泳ぎまくっているけど、私だって分かっているわ。

「エステ、なのですわ。マジカルハンドなのでしてよ?」

「な、何かしら??そのわたくしの美容センサーにビンビンくる不思議な単語は?!」

 説明が面倒になったので、また上級エステメイドを五人ほどお母様の元に送り込んだの。

「ああああーーー……なんて事!」

 お母様もすっかり虜になってしまったのよ。エステ凄いわ。

 私はこうして身も心もゲームのシシリーとはかけ離れた存在になって行く。主人公のルーナには悪いとは思うけど、逆ハー狙いの聖女様なんてちょっと嫌だし。

 ちょっと考えてみてよ?デブ専の20歳くらい上のおっさんが旦那になるのよ?絶対回避でしょう?!






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