父の治療費のため契約したはずが、独裁者の愛が重すぎます
かつて「白石家の宝物」として愛された令嬢・白石莉奈(しらいし りな)。しかし、その幸せは高校三年生の冬、残酷な裏切りによって崩壊する。
父の右腕だった男、黒崎。彼の手によって会社は乗っ取られ、誇り高き白石家は一夜にして路頭に迷った。不眠不休で社員の再就職先を探し、未払い給料を清算し続けた両親。母は過労で倒れ、そのまま息を引き取り、父もまた心臓を病み、生死の境を彷徨うこととなった。
父の治療費のため朝から夜中まで働き続けた。
「あと一日待ってください……」
病院の廊下で、無力さに膝をついた彼女の前に現れたのは、一人の男だった。
御堂 刹那(みどう せつな)。
この国の経済と命を握る、実在しないはずの「伝説の独裁者」。誰もその姿を見た者がいないはずの絶対君主が、冷酷な眼差しで莉奈を見下ろしていた。
「お前のすべてを買い取ろう。――その代わり、今日からお前は私の『モノ』だ」
提示されたのは、父の命と引き換えに自由を捨てる「所有権譲渡契約」。
男性経験もなく、ただ健気に生きてきた莉奈は、父を救うために自らを「生贄」として捧げる決意をする。
首筋に刻印されたのは、御堂家の紋章が入ったプラチナの首輪。
連れ去られた先は、誰も立ち入ることのできない超高層マンションの最上階――逃げ場のない「黄金の檻」だった。
「専属秘書」として24時間の監視下に置かれ、食事、睡眠、着るもの、そして思考までもが彼の管理下に置かれる日々。莉奈の尊厳は、独裁者の歪な所有欲によって少しずつ塗り替えられていく。
だが、冷徹な支配の裏側に透けて見えるのは、狂気的なまでの「過保護」だった。
なぜ、この国の王が自分に固執するのか。その謎は、15年前の火災事件と、二人の間に交わされた「ある約束」へと繋がっていた。
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