怪談を語ってはいけない2 ―昭和59年度・横浜市X中学校文芸部誌 別冊「私たちの学校の不思議」―

第9回ホラー・ミステリー小説大賞 参加中! 現在の順位:533位 / 1,232件
「この文章は、15歳の私が書いたものだ。……だが、書いた覚えがない」

 令和X年、母校のX中学校(仮名)に教師として赴任した私は、図書室の廃棄予定資料の中から、一冊の手書き文集を見つける。

『昭和59年度 文芸部誌:私たちの学校の不思議』

 そこには、昭和末期の校舎で起きた、生々しい怪異が綴られていた。
 技術室の準備室から聞こえる止まない悲鳴。
 窓の外にニューッと伸びてくる友人の顔。
 友人のドッペルゲンガー。

 読み進めるうちに、私は戦慄する。
 そこに記された体験者の名前は、かつての中学時代の友人たち。
 そして、その怪異を最も詳細に記録していた「編集委員」は、15歳の私自身だった。

 しかし、私にはその記憶が一切ない。
 昭和59年の文集に記された「怪異」が、令和の校舎で、そして再開発された街で、ひとつずつ現実になり始める。
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