『灰冠の葬王』

死は、救いではなかった。

戦乱と呪詛が渦巻く大陸において、“葬送”は神聖な儀式ではなく、最後の戦いだった。
死者は安らかに眠らない。未練、怨嗟、呪いは肉体を蝕み、やがて世界を侵す。

その全てを終わらせるために存在するのが――“灰冠の葬王”。

黒衣を纏い、灰の王冠を戴くその男は、王でも勇者でもない。
だが彼が歩いた後には、必ず“本当の終わり”が訪れる。

国を滅ぼした魔導王の亡骸。
神に見放された聖女の最期。
不死を望んだ英雄の成れの果て。

誰も手を出せない死を、彼だけが断ち切る。

人は彼を恐れ、忌み、そして縋る。
なぜなら彼が現れるとき、それは“何かが完全に終わる時”だからだ。

だが葬王自身もまた、終われない存在だった。

灰冠は呪いの証。
戴いた者は永遠に死を看取り続ける。

これは、史上最強にして最も孤独な葬儀屋が、
世界の終焉と向き合う物語。

死を葬り、呪いを焼き払い、
やがて己の灰すら弔うまでの叙事詩。

終わらせる者の、終わらない物語が始まる。
24h.ポイント 207pt
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