心が読める俺は、氷の美少女と共犯者(ダミー)になる
半径3メートル。それが、俺の世界に引かれた不可視の境界線だ。
遠野律には、他人の「言語化された表面思考」が聞こえてしまう読心能力がある。
過去のトラウマから人の裏表に疲弊しきった彼は、逃げるように千葉の海沿いの街へ転校してきた。
「波風を立てず、誰とも関わらずに孤独に生きる」――そう決めていたはずだった。
しかし転校初日、律は誰もいないはずの旧校舎で、学校一の美少女・一ノ瀬玲奈と遭遇してしまう。
誰もが憧れる完璧な高嶺の花。だが、彼女の心の中から聞こえてきたのは、冷酷で悲痛な本音だった。
『毎日毎日ストーカー紛いで吐き気がする。誰か、言い訳(ダミー)になってくれる人がいれば……』
厄介な人間関係に追いつめられ、限界を迎えていた彼女を放っておけず、律は思わず声をかけてしまう。
それが、互いの平穏を守るための「偽装交際(共犯関係)」の始まりだった。
周囲を欺くためのビジネスライクな関係のはずが、彼女の不器用な素顔を知るうちに少しずつ距離が狂っていく。
さらに律の周りには、一癖も二癖もある少女たちが集まり始める。
互いに心が読めず疑心暗鬼になる、同族の双子の姉。
能力が一切通用せず、何を考えているのか全く読めない双子の妹。
最悪の形で秘密を知り、やがて唯一の理解者となる戦友。
ただの普通の男子高校生でいられる、日常の避難所。
心が読めるからといって、人の心が「分かる」わけじゃない。
これは、聞こえてしまう本音と勘違いに振り回されながら、人間不信の主人公と不器用なヒロインたちが、本当の意味で「誰か」と向き合うまでの青春日常ラブコメディ。
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