悪役令嬢物語が魂に刻まれている

高熱にうなされ、生死の境をさまよった十五歳の夏、アルテミシアは思い出した。
「現代日本」で過ごした日々、好んで読んだ悪役令嬢物語。

異世界転生を……してる!

だが、おそらく己の立ち位置は悪役令嬢物語における「正ヒロイン」
悪役令嬢ものが好きで、悪役令嬢に感情移入して読み続けてきた前世の自分からして、正ヒロインなどただのお色気アホ女。

他人の婚約者に色目を使うな。
そんなのどう控えめにみてもしょうがなくない、浮気で不倫で略奪だ。

いざその立場になってみれば、正ヒロインにもまた事情があることはよくわかるのだが、それでも男に頼る前にできることがあるだろう、と思ってしまう。

アルテミシアは、悪役令嬢には触らず、男性には頼らず、真っ当に生きていこうと誓うものの、初っ端から悪役令嬢によるいじめにあってしまい……!?

※いじめに関する表現があります。苦手な方はご注意ください。
※小説家になろうにも公開しています。
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