スープ

 ご近所のFさんが亡くなった。

 自殺だったそうだ。

 たまに道端で挨拶を交わし、少しばかり立ち話をするだけの間柄だったFさんとはさほど親しかったわけではない。

 理由も理由だったので葬儀は家族だけの密葬で済まされたそうで、自治会に知らされることもなかった。

 Fさんが亡くなって2ヶ月ほど経ったある日、私は偶々Fさんの家の前で娘さんに遭遇した。

 お線香を上げさせて貰えないかとお願いすると、娘さんは快く家に招き入れてくれた。
 そしてFさんの最期の日のことを知った。
24h.ポイント 85pt
21
小説 10,834 位 / 184,254件 ライト文芸 409 位 / 7,570件