『婚約破棄されたので、元婚約者の恋愛相談に乗っています』
あらすじ
「君を幸せにできる自信がない」
三年間婚約していた公爵令息アレクから、突然婚約解消を告げられた伯爵令嬢リディア。
浮気でも、身分差でもない。
理由はたったそれだけだった。
納得できないまま婚約を解消した翌日――なぜかアレクがリディアのもとを訪れる。
そして彼は、信じられないことを口にした。
「……女性に好かれるには、どうすればいい?」
婚約を破棄した元婚約者から、まさかの恋愛相談。
どうやらアレクには、好きな女性がいるらしい。
「その方は、どんな女性なのですか?」
「真面目で、少し頑固で……甘いものが好きだ」
「……私に似ていますね」
「…………」
なぜか黙り込むアレク。
それでもリディアは、自分がその「好きな女性」だとは思わない。
一度、自分を手放した人なのだから。
こうして始まった、元婚約者への恋愛指南。
贈り物の選び方。
二人で過ごす時間の作り方。
好きな相手への気持ちの伝え方。
リディアのアドバイスを実践するたび、なぜかアレクとの距離は近づいていく。
けれど、そんな二人の前に新たな男性が現れる。
「リディア嬢。あなたに正式に求婚したい」
その瞬間、アレクの態度が変わった。
「……その男と結婚するつもりなのか?」
「まだ決めていません。でも、あなたには好きな女性がいるのでしょう?」
「…………」
どうして、そんな顔をするの?
どうして、そんなに苦しそうなの?
そしてリディアは、少しずつ気づき始める。
アレクが語る「好きな女性」の特徴。
彼が選ぶ贈り物。
彼が会いたがる相手。
彼が嫉妬する相手。
そのすべてが――自分自身なのではないかと。
けれど、もし本当にそうなら。
どうして彼は、あの日、自分との婚約を破棄したのだろう?
すれ違った二人が、恋愛相談という奇妙な関係を通して、もう一度互いの気持ちに向き合っていく。
「好きな女性への接し方を教えてほしい」
そう言っていた元婚約者。
けれど本当に必要だったのは、恋愛指南ではなかった。
――自分の気持ちを、本人に伝える勇気だった。
婚約破棄から始まる、ちょっと不器用で、じれったい再恋愛。
二人は今度こそ、素直に愛し合うことができるのか。
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そのすべてが――自分自身なのではないかと。
けれど、もし本当にそうなら。
どうして彼は、あの日、自分との婚約を破棄したのだろう?
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けれど本当に必要だったのは、恋愛指南ではなかった。
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