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8話
しおりを挟む「どうかしましたか?」
私が不思議そうな顔をしてユーティに質問すると、ユーティは私に怒鳴り始めた。
「せ、千枚なんてそんなの払えるわけ無いじゃない! 違法よ!」
私は笑ってしまった。
違法だなんて、先に不倫したのはそちらだろうに。
よくも私のことを咎めることが出来るものだ。
「別に慰謝料の上限は定められていませんよ。それに、違法と言いますが先に法を犯したのはそちらでは?」
ユーティは私の真っ当な指摘に唇を噛んだ。
「それに、払えるかどうかなんて知りません。払ってください。だって慰謝料なんですから」
一切取り付く島はない。
私はユーティにそれを示した。
「逃げようとしても無駄ですよ? 伯爵家の力をあまり舐めないことですね」
最後に私はユーティに釘を差す。
するとユーティはついに逃げれないと理解したのか、絶望した。
「……い、嫌よ。私が何でこんな目に合うのよ!」
ユーティは自分の境遇を嘆き始めた。
「……」
しかし、誰もユーティには同情していない。
何せ、自分の行いが招いた結果であることは火を見るよりも明らかだったからだ。
ユーティはそのまま「なんて私は可哀想なの」と泣き続け、ついには兵士に追い出されていた。
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