逢花(おうか)

あの時、一面が薄桃色に染まった。

 吹き抜けてゆく風は桜並木を揺らし、雪のように花が舞う。
 薄桃色に彩られた春の雪――……。
 切なくなるような既視感が切ない痛みを伴って胸をよぎる。

 透哉は卒業式の日、桜吹雪の中にたたずむクラスメートに目を奪われた。
 三年間まともに話した事もない彼女に、覚えのない懐かしさがこみ上げる。
 彼女と話したい。けれど、卒業式のこの日が、彼女と話せる最後の機会……。

 桜舞い散る木の下で、今度こそ、君と出会う――
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