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61話
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「今すぐに、アリアを開放しろ!!」
私の前に回り込んで来た男は、こちらを指さしながら叫んだ。
それに対して、私はフィーナに左手の甲を向けてから、男を指さした。
その次の瞬間、フィーナが男が叫んだ事でこちらに注目しだした学園側の護衛に気づかれない程の速度で魔法を発動させた。
魔法で超人的な身体能力になったフィーナは、男の顎を撫でる様な威力で殴り、脳を揺らした様に、私には見えた。
そして、フィーナは結果を確認するよりも前に魔法を解除した。
フィーナの魔法解除から数秒後に、フィーナに殴られて、急に黙っていた(黙らされたともいう)男が膝から崩れ落ちた。
偶々周りに居た人間には、男が急に崩れ落ちた様に見えたらしく、突如として人が崩れ落ちた事により、心配そうな声や表情が見られた。
そんな周りの状況を一切無視して、私は一番近くに居た学園側の護衛達に声をかけた。
「そこの貴方は医務室から医師を呼んで来なさい。残りの人間はこの場の人間を散らして、自分達のクラスに移動させなさい。
私達もすぐに移動するわ」
「は?いえ、ですが、この場から動かれるのは、その、状況確認等もありますので」
「この場から動かれるのは困る、と?確かに私達が手を出したなら困るでしょうね。
でも貴方達は、私達がその男に手を出しているのを見たの?
それに状況確認?
その男が急に崩れ落ちたのに、状況確認に私達が必要かしら?
むしろ、興奮していたようだから、興奮し過ぎで倒れたとも言えると思うけど?」
「う、それは」
護衛達はそれ以上の言葉は無かったらしく、苦い表彰をしつつ言葉を詰まらせた。
護衛達は私達をこの場に留め置くのは難しいと理解しているものの、この場を簡単に収められる私達に居て欲しいとも思っているのだろう。
それに男が崩れ落ちる瞬間を見ている者も居ただろうし、その瞬間を見ていたならば私がフィーナに何らかの合図を送ったというのは見て取れただろう。
しかし、その合図があからさま過ぎる上に何をしたのか認識出来ていない。
そんな状況では、男が崩れ落ちた事と関連付ける事は難しいし、それが伯爵家当主が相手なら余計に難しいだろう。
つまり、私達をこの場を留め置くのは、不可能に近い。
出来るとすればアリアが幼馴染が心配だから残りたいと言った時のみだが、そのアリアは突然の状況に混乱している為に、そこまで頭が回っておらず、私とフィーナは何もしてないのに目を回している。
結論として、この場にいる護衛達がこの状況を、どうにかしなければならないし、学園での講義が始まる時間も迫っている。
その事に気がついたのか、私が声をかけた護衛は釈然としない感情を滲ませつつも、私達に道を譲った。
それを見て、私はニッコリと笑顔を浮かべつつ、私達のクラスに向かって歩き出した。
私の前に回り込んで来た男は、こちらを指さしながら叫んだ。
それに対して、私はフィーナに左手の甲を向けてから、男を指さした。
その次の瞬間、フィーナが男が叫んだ事でこちらに注目しだした学園側の護衛に気づかれない程の速度で魔法を発動させた。
魔法で超人的な身体能力になったフィーナは、男の顎を撫でる様な威力で殴り、脳を揺らした様に、私には見えた。
そして、フィーナは結果を確認するよりも前に魔法を解除した。
フィーナの魔法解除から数秒後に、フィーナに殴られて、急に黙っていた(黙らされたともいう)男が膝から崩れ落ちた。
偶々周りに居た人間には、男が急に崩れ落ちた様に見えたらしく、突如として人が崩れ落ちた事により、心配そうな声や表情が見られた。
そんな周りの状況を一切無視して、私は一番近くに居た学園側の護衛達に声をかけた。
「そこの貴方は医務室から医師を呼んで来なさい。残りの人間はこの場の人間を散らして、自分達のクラスに移動させなさい。
私達もすぐに移動するわ」
「は?いえ、ですが、この場から動かれるのは、その、状況確認等もありますので」
「この場から動かれるのは困る、と?確かに私達が手を出したなら困るでしょうね。
でも貴方達は、私達がその男に手を出しているのを見たの?
それに状況確認?
その男が急に崩れ落ちたのに、状況確認に私達が必要かしら?
むしろ、興奮していたようだから、興奮し過ぎで倒れたとも言えると思うけど?」
「う、それは」
護衛達はそれ以上の言葉は無かったらしく、苦い表彰をしつつ言葉を詰まらせた。
護衛達は私達をこの場に留め置くのは難しいと理解しているものの、この場を簡単に収められる私達に居て欲しいとも思っているのだろう。
それに男が崩れ落ちる瞬間を見ている者も居ただろうし、その瞬間を見ていたならば私がフィーナに何らかの合図を送ったというのは見て取れただろう。
しかし、その合図があからさま過ぎる上に何をしたのか認識出来ていない。
そんな状況では、男が崩れ落ちた事と関連付ける事は難しいし、それが伯爵家当主が相手なら余計に難しいだろう。
つまり、私達をこの場を留め置くのは、不可能に近い。
出来るとすればアリアが幼馴染が心配だから残りたいと言った時のみだが、そのアリアは突然の状況に混乱している為に、そこまで頭が回っておらず、私とフィーナは何もしてないのに目を回している。
結論として、この場にいる護衛達がこの状況を、どうにかしなければならないし、学園での講義が始まる時間も迫っている。
その事に気がついたのか、私が声をかけた護衛は釈然としない感情を滲ませつつも、私達に道を譲った。
それを見て、私はニッコリと笑顔を浮かべつつ、私達のクラスに向かって歩き出した。
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