鬼帝の産花嫁~人は、鬼は誰も愛さぬと言う~
紅(コウ)は『鬼子』だ。片眼は実の母に潰され、そうなった。
間抜けで醜怪で、家に厄を与える悪い子――それが『鬼子』
一方、紅の従姉妹である沙矢華は異能を持ち、見目よく、家に財を与える子――『宝子』
人として扱われない紅は、己の異能を隠し愚鈍に生きる。
それは、幼い頃に会った少年が与えてくれた仄かな希望があったから。
そして十七の歳に国からの命令で、東宮の花嫁候補として沙矢華と帝都へ向かう。
――けれど、何かおかしい。
宮城に着いた紅と沙矢華は『鬼帝』の『産花嫁』として『裏宮城』に入ったのだと知る。
国の裏の顔。
裏の帝。
そして忌み嫌われる鬼がなぜ、国の中枢で帝と対象に生きているのか。
紅は幼い頃にあった少年と再会できるのか――
恋を実らせることができるのか――
鬼帝は言う。
「鬼は恋などしない、誰も愛さぬのだ。紅、鬼子であるお前も人を愛さぬ。我々は同類だ」
そういう彼の手は優しくて――
間抜けで醜怪で、家に厄を与える悪い子――それが『鬼子』
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