さすらいの怪力武士、織田信菜に仕える

「腹が……減った」

 最後に何かを口にしたのは何日前だっただろうか。

 世は戦国時代。
 俺は主を失ったさすらいの武士である。
 つまるところ無職だ。
 三郎丸と名乗っている。
 力に自信はあるので、なんとか武功を示したいところなのだがな……。

 このあたりは、織田家の領地だ。
 当主の信長は、うつけ者として有名らしい。
 うつけ者であれば、名家の出身ではない俺でも雇ってくれるかもしれない。

 そんなことを考えつつ、道を進んでいく。

 ちょうど、織田家と今川家の武力衝突の場面に出くわした。
 織田家が劣勢だ。
 少女が窮地に陥っていたので、俺は織田家に加勢した。

 そして……。

「いい? 三郎丸とやら。あなたは間違って覚えているようだから、教えてあげるわ!」

 少女がそう言って、腰に手をあてる。
 何やら偉そうなポーズだ。

「この尾張の当主は、この私。織田信菜よ!」
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